「息子の合格の為には自分が変わらないと…」啓発塾のセミナーを受けた城山麗子は、更に高額な1週間の合宿セミナーに参加する。親の意識改革の為と言いつつ、その実態は新興宗教「神の郷」教団信者獲得のための洗脳セミナーだった。
合宿セミナーから帰宅した麗子は人が変わってしまう。
愛妻を元に戻す為、知人の古本屋の主人三蔵を頼る城山。三蔵の知り合いの脱会カウンセラー武石による脱洗脳が始まる。
洗脳の手順、新興宗教の腐敗した教祖、教団の裏側、脱洗脳の方法など頁をめくる手が止まりませんでした。それだけ真に迫っています。結構どんでん返しの連続なんで、これ以上中身に触れられないのが残念です。
社会人いなりたての頃"自己啓発セミナー"がはやっていて、同期入社の奴がハマっておかしなことになっているのを目の当たりにしていることもありそもそもこういうのにうさん臭さを感じてしまいます。その一方で、洗脳の手法というのには興味があって当時その手の結構本を読み漁りました。おかげでその手口はわかるので、少なくとも自分がそういうのに引っかかる事はないと思いますが、世の中にはいまだに騙される人もいるらしい。
この小説はフィクションですが、実際に優しい顔して勧誘する胡散臭い新興宗教が現実に存在し、教団教祖を支える為に高額のお布施も厭わないように洗脳されている人は確かにいるに違いありません。ハマってしまったら抜け出素のは容易ではありません。まさに"触らぬ(偽)神にたたりなし"。くわばらくわばら。
(補記)
全然関係ないけど、突然出てきた「くわばらくわばら」って最近使わないなぁ…。
一応調べてみたので転記しときます。
「死後に雷神となったという菅原道真の領地桑原には落雷がなかったところからという。また、雷神が農家の井戸に落ちて農夫にふたをされてしまったとき、雷神が「自分は桑の木が嫌いなので、桑原と唱えたなら二度と落ちない」と誓った、という伝説によるともいう」ことから
1.落雷を防ぐために唱えるまじない。
2.嫌なことや災難を避けようとして唱えるまじない。
だそう。
- 作者: 新堂冬樹
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2004/03
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