日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「呼ぶ山 夢枕獏山岳小説集」

呼ぶ山 夢枕獏山岳小説集 (角川文庫)
夢枕 獏・角川文庫
2012年単行本を文庫化。
「深山幻想譚」
「呼ぶ山」 
「山を生んだ男」
「ことろの首」
「霧幻彷徨記」
「鳥葬の山」 
「髑髏盃(カパーラ)」 
歓喜月の孔雀舞(パヴァーヌ)」
の8つの短編が収録されていますが、「呼ぶ山」以外は、既刊の短編集から"山"にまつわる話を再構成したものですべて読んでいるだけでなく、30年以上前に読んだのに全部ちゃんと憶えていました。。
一番古いのは「山を生んだ男」。将来富士山を越える高峰を産む手助けをする幻想的なお話し。

歓喜月の孔雀舞」は31年前に新潮文庫で読みました。その時はなにも感じなかったのですが、幻想的な感じといい、男女の想いといい、これが一番いい話でしたね。
ネパールに行った主人公は知り合った女性に恋をする。初めてのトレッキングの時に落石に合い彼女は死亡。亡くなる寸前、「魂月法」という謎の言葉とともにアンモナイトの化石(螺旋)を託される。彼女の故郷にいる男に螺旋を渡すことと引き換えに魂月法について知ることになる…。
 冴え冴えとした満月の夜、村で一番高い樹のてっぺんで月に向かって矢を放つ。矢先には経血、矢筈には想いを遂げたい男の陰毛を結び。恋愛成就の秘法が逆に彼女を縛り付けてしまう。

 この短編集にある、初期の想いをたたきつけるような話から、今は少しは落ち着いていますけど、それでも30年以上現役第一線でまだ描き続けていることに驚き。