友井健人編
読書というか購入した本。
1973年東宝製作のSF超大作「日本沈没」のスチール、初公開資料など余すところなく掲載、更に藤岡弘、(小野寺俊夫)、木村大作(撮影)、中野昭慶(特技監督)他インタビューも多数収録。「日本沈没」しかも73年版が大好きな私的には待ちに待った一冊です。3800円(税別)とちょっと高額ですが、美術展の図録と思えば値段相応です。
「日本沈没」は小松左京の大ベストセラー小説を映画化したもの。映画は小説の発売(3月)と同年の1973年末公開。翌年TBSでTVドラマ化されています。私は、当時TVシリーズは毎週楽しみに観ていましたが映画は見ておらず、DVDになって初めて見ました。カミさんは父親に連れられてロードショウで観たといってました。
初公開時に観ていない飢餓感もあって、原作も3回は読んでますし、DVDは10回以上見てます。不評の2006年版ですら5回は観てます。それくらい好きなので、この資料集は垂涎の1冊でした。
なぜこんなに73年版「日本沈没」に惹かれるのか。
1973年は,CGなんか影も形もなかった時代です。この本を見てもわかりますが、全てミニチュア特撮で映像化しています。暑苦しい藤岡弘、の演技に負けないくらい暑い演技の小林桂樹、丹波哲郎。スリムなのに巨乳のいしだあゆみの肢体。冷静な二谷英明に中丸忠雄。演者も素晴らしい。そして日本の風景を余すところなく映した木村大作。日本人として、母なる大地が無くなるという未曽有の危機に対して、そこに自分を当て嵌めてみた時に、日本の良さ、すばらしさを再認識できるという点が、他の単なる活劇にないある種の郷愁を感じさせる稀有な映画だと思います。
同じパニック映画でも「地震列島」にはそんな事は感じないし、06年版「日本沈没」は映像的には格段の進歩がありますが、ストーリー、演技共になんら魂を揺さぶるところはありませんでした。
73年版「日本沈没」は「七人の侍」とともに日本人が見るべき、そして誇れる邦画です。観てない人は是非!
1973「日本沈没」完全資料集成 (映画秘宝COLLECTION)
- 作者: 友井健人
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2018/03/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (3件) を見る