本橋信宏著・太田出版
AV界の帝王、村西とおる監督の半生を追いかけたノンフィクションです。
読みたいと思って2016年初刊の時に買っておいたもの。やっと読み終わりました。ページは700頁を超えてのハードカバー。4cmくらいあって重いっ!
通勤電車が読書タイムなので、そもそもハードカバーは読めませんが、更にこの分厚い本は持ち歩きはさすがにできない。そんで4月から在宅勤務が始まり読めるかと思ったら、何気に忙して全然読めない。ゴールデンウィークの休み、STAYHOMEの時間を使い少しづつ読み進めてましたが3週間もかかりました。いや、内容的にはすごく面白いのですが、いかんせん大きすぎて寝転がってあおむけで読むと手がつるし、座って読んでると腰が痛いし、大変でした(^^;)。
村西とおる監督。
アダルトビデオ黎明期、私たち世代で、彼の作品を見たことのない人は皆無に違いありません。当時まだ大きかった自らビデオカメラを肩に乗せて、性交しながらビデオを撮るいわゆる”ハメ撮り”や、結合したまま女性の両脚をもち歩き回る”駅弁スタイル”、土産物屋にある貝の笛を女性に咥えさせて鵜持ちがよくなったら笛を吹かせるとか、それまでにっかつロマンポルノから派生してきたアダルトビデオの世界に奇想天外な映像で笑いを持ち込んでました。
前科7犯、借金50憶という惹句で最近またTVに出てきています。前科は、猥褻図画販売・関税定率法違反・児童福祉法違反(3回)・米国法違反・職業安定法違反の7つ。確かに裏本作ったりした(猥褻図画販売)けど、詐欺、恐喝、殺人のようないわゆる犯罪とは異なる。児福祉法違反なんて、本人が成人だというのを真に受けてAV作ったら未成年だったという、だまされた村西監督が逮捕されたもの。
50憶の借金を抱えても、自己破産せず返し続けるというのもすごい。もうほとんど返済は終わってると執筆時に言われていますから、もしかしたらもう返し終えているのかな。今コロナウィルス禍で、倒産、閉店が増えていくと思いますが、50憶の借金作って返し続けて今も生きているっていうのはある意味希望の星です。
仕事に対しては前向きで、周りの人間はそれに翻弄される。人を雇って成長させてなんていう甘っちょろいことを言う経営者とは一味も二味も違う。公私混同の結果大借金を作るけど、その公私混同も私腹を肥やすというものではなく、次々と作品を作るために、特に金がないときほど金をかけていく。常に挑戦の人生。
今NETFLIXでドラマ化されているらしく、それも評判なのですが、ネトフリ未加入の為観ていません。Season2も決まったとか。
特に私たち世代にはお勧めですが、大作ですから読むのは大変かも。文庫化されたらどうぞ。
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- 作者:本橋 信宏
- 発売日: 2016/10/18
- メディア: 単行本