石原 俊著・中公新書
硫黄島に元々島民がおり、漁業はもちろんサトウキビやレモングラスの栽培、日本では唯一コカ(コカインのもとね)の産地で経済的には潤っていたと聞いた事があります。
強制疎開させられて以降今に至るも帰島できないというのも時々慰霊帰島のニュースで観ていたので知っていましたが、どちらかというと「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」などで語られる日米戦争の激戦地という方が印象強いですね。考えてみれば太平洋の要衝、行政府が置かれている父島からは300 km。本州からは1200kmと絶海の孤島で、地政学的にまさに不沈空母となりうる島。火山もあり決して住むのに楽なところではない。故郷への募る想いも理解できるけど、それを言うならダムに沈み「そこにあるのに帰れない」故郷は日本中にある。
来年で戦後80年。当時を知る人はもうほとんど鬼籍に入っている。
硫黄島の戦闘で、日本側約21,900名、アメリカ側6,821名が戦死している。
旧島民に帰島を諦めろというのは酷かもしれないけど、まずはまだ回収されていない1万柱以上の遺骨を回収、供養し、残る不発弾をすべて処理しないと、帰島しての生活は昔以上に難しい。これだけの戦闘のあった場所に帰らずとも、今後も国土防衛と慰霊の島として在り続けるのが一番いい形じゃないかと思うのですがいかがでしょう。
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