日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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『キマイラ』と『闇狩り師』

20年以上振りに新刊とは。基本同じ世界観を持つ2つのシリーズ。
『キマイラ青龍変・キマイラ別巻』
『闇狩り師・黄石公の犬』
いやー初めてこのシリーズを読んだのは、高校生〜浪人の頃だったっけ。
キマイラは、最近ハードカバー→新書版(旧文庫場版2冊を1冊に)で復刊していましたが、元をたどれば朝日ソノラマ文庫。いまでいう"ライトノベル"のさきがけとなった作品。夢枕獏も若く、繊細な天野喜孝のイラストと相まってむちゃくちゃはまって読んでました。
『闇狩り師』はトクマノベルズで同時期に出ていました。短編・中篇・長編と様々な妖物に憑依された人を救う九十九乱蔵を主人公とした物語。


強い男になりたい。
力や技だけではない本当の意味での強い男になる為に登場人物は悩み放浪する。


すごいのは20年経った今も夢枕獏のパッションがしっかりキープされているところ。普通、年とともに説教くさくなったり、主人公の性格が変わってしまったのかと思えるような変化があるものだけど、昔のままの登場人物がそこにいました。30代と同じ筆致で還暦を目前とした作家が登場人物を動かせる。驚異です。

当時、夢枕獏はこのシリーズのあとがきで必ずこういっていました。


「この物語は絶対に面白い」


今回も書いてありました。自分の作品を手放しで推薦する作家ってのも、すごいですが、私もまったく同感。


「この物語は絶対に面白い」


最近手に入りにくかった「闇狩り師」旧作も新装版がこれから復刊されるらしい。
まだ手に取られたことのない方、「キマイラ」(正編8巻。今回の青龍変は別巻)とともに必読です。
(キマイラ新書版で1100円で一見ちょっと高いかなと思いますが、元々文庫2冊を1冊にしているので、コストパフォーマンスは○です)

闇狩り師 黄石公の犬 (トクマ・ノベルズ)

闇狩り師 黄石公の犬 (トクマ・ノベルズ)