真山仁は「ハゲタカ」の作者。
この小説も外資ファンドが企業再生を図る話なので姉妹編といってよいと思う。
冒頭、日本の原子力発電を全廃しろとの外圧があり、代替エネルギーとして有力な地熱発電研究会社を買った外資ファンドが新方式の地熱発電所をつくる話。
「ハゲタカ」ほど企業買収の攻防があるわけではありませんが、休暇から戻ると自分の所属したチームが全員解雇されていた女性が、いきなり企業再生を任されたのは何故か?倒産させたしまった放蕩社長がそのまま会長職に残ったのは何故か?原発研究の第一人者が何故反原発、地熱発電に一生を捧げるのか?かつて原発予算を初めて勝ち取った政治家が何故地熱発電をバックアップするのかなど、様々な人の思惑が重層的に進み、あっという間に読み進めることができました。こういう骨太な話って結構好きかも。
お勧めです。
- 作者: 真山仁
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2008/03/07
- メディア: 文庫
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