幻冬舎アウトロー文庫の官能小説なので、コメントするのは避けようと思ったんですけど、結構面白かったんで書いちゃいます。
「ふしだらな左手」はこれまで3作出ています。副題「ルージュマジック」が1作目、「冬の花火」は2作目にあたります。主人公黒木清史郎39歳。在日米軍基地(横田BASE)のある福生市でスナックを経営していて、副業で頼まれごとを引き受ける探偵まがいのことをしている。このスナックに集まる人々や依頼人との物語。
今回のお話は、探偵らしく誘拐事件の捜査を頼まれる。お嬢様女子大学に通う女性が誘拐された。身代金は3000万。両親は警察に届けたくない事情があり、黒木に依頼される。
一応ミステリー仕立てになっているので、紹介はここまで。ラストシーン、大みそかを明日に控えた夜。夏の花火大会でやり残した手持ち花火に片付けがてら火を点す。どうしていろんな人にもてる黒木が何故結婚しないのかを、スナックで歌を歌っている女の子、サラに話す。このシーンがなかなかすてきでした。
薄い小説なんで、ストーリーそのものは小品ですが、ちょっと琴線に触れるようなシーンがあって後味が良かったです。
勿論官能小説なんでそういうシーンもありますので、電車で読むときは周りの人が覗いてないかを充分確かめて読みましたとさ。
- 作者: 黒沢美貴
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/12
- メディア: 文庫
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