「2001年宇宙の旅」は、それこそ何度も観ている作品ですが、何回観ても後半の意味がよくわからない。なんで部屋の中?なんで赤ちゃん?いえいえ、様々な解説本を読んでそれがスターチャイルドであるとか、人類の超進化だという事は言われてみれば判る話なんですが、一切の説明を廃して延々と退屈な画面を見せられるこちら側の身になってごらん、と。
という最後の訳の判らなさはあるものの、何しろ初めて見た時の衝撃で、30年以上自分の中ではベストテンに入る作品だったりします。勿論DVD持ってます。この映画、アポロ11号が月面に着陸する以前に作られてるんですよ。それだけでもすごい。当時コンピュータグラフィックスなんてないから、ミニチュアと撮影技術だけでここまでの宇宙映画ができるなんて。。
旅客用スペースシャトルにパンアメリカン航空のマークが入っていましたが、パンナムは91年に経営破綻してしまい、「これじゃ、2001年に宇宙行けないじゃん!」とひとり憤慨したのを憶えています。これが日本なら日本航空がシャトルになりそう…なんて未来を作っていそうですけど、そんな日航も経営破綻しちゃってそれどころじゃないなぁ。作ってないで良かったね。
ともあれ、見た事のない人は騙されたと思って一度見てみるとよいです。途中までは間違いなくドキドキもんです。
あ、本の方は、「『2001年宇宙の旅』講義」といいながら、日本SFへの影響とか、モノリス芸術論とか周辺の話が多く、つまらなくはないけど、「ふーん」っていう感じ。SF好きがとっちらかった知識を無理やり1冊にまとめてる感じ、とでも申しましょうか。
SF映画を語る時「2001年宇宙の旅」は避けて通れません。意味不明だからこそ、みんなこれについて語りたい。要はそういう本でした。まさに2001年に上梓されて、著者はうれしかっただろうなぁ。

- 作者: 巽孝之
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2001/05/01
- メディア: 新書
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