1965年東宝
監督:本多猪四郎
出演者:高島忠夫/ニック・アダムス/水野久美(様)
1965年8月公開ってことは、私、生後7カ月だ…。当然、リアルタイムでは観ていません。
60年代は円谷英二特技監督全盛の日本特撮映画の黄金期。その真っ只中に制作された本作。つまみ食いのように観たことはあったし、今から20年以上前にレンタルビデオを借りたことがありましたが、先日TSUTAYAで借りてきて本当に久しぶりに全編観ました。
このフランケンシュタインは、第2次世界大戦末期にドイツから潜水艦で日本に運ばれてきた不死の心臓が成長したものだから、本家とはちょっと違う。当然演じているのは日本人。顔は本家に似せているけど、身体が貧弱な感じ。最初は少年だったけど、どんどん成長して、あっという間に20mの大男になる。でも、服は着ている。服も一緒に大きくなったんだろうか…。ま、最終的には、獣の皮みたいなものをまとっているけど、そんなに大きな毛皮を持った動物がいるとは思えない。画面の外で巨大熊と戦って剥いだのかもしれない。
このフランケン君、少年だった頃、科学者の水野久美(様)に食べ物を恵んでもらってから、水野久美(様)にだけちょっと優しい。しかし妖艶な女性だ。水野久美(様)は、X星人役とか、マタンゴの関口麻美など、ちょっとエッチっぽい雰囲気が堪らなくて、子供心にも彼女が出てくるとドキドキしたものです。子どもの心をわしづかみにするくらいだから、純情な大男などイチコロに違いない。
さて、狭い檻の中に閉じ込められていたフランケンシュタインは、ちょっと暴れただけで壊れるほどお粗末な檻から遁走し、山に逃げ込む。そんな時、東北の山奥から地底怪獣バラゴンが出てきて、山小屋を襲って若者をみんな食べてしまう。バラゴンが地底を逃げ回っている間に、人肉喰いの汚名を着せられたフランケンシュタイン、それで怒ったわけではないけど、偶然山の中で鉢合わせしたバラゴンと戦闘モードに。辛勝したのもつかの間、今度は山の中なのに大タコが現れてくんずほぐれつの末、一緒に海中に没する。自衛隊は、怪獣出現で、戦車まで動員したけど、大した活躍もせず、大タコとフランケンシュタインが海中に没したら「任務完了、撤収」って、何もやってないじゃん…(^-^;)。
かように荒唐無稽極まりない話ですので、真剣に観たり、矛盾を追及するのはこの映画の正しい見方ではありません。突っ込みどころを指折り数えて、観終わった後に「あそこはなんかおかしい」ということをみんなで共有する。それと水野久美(様)を愛でる。これが正しい見方に違いない。これが3時間とかあったら、スクリーンにコーラとポップコーンを投げているかもしれないけど、90分しかないから、本気で怒る前に映画は終わります。
まぁ、興味があれば観ても良いけど、あくまでも寛容な気持ちで観てください。家で観ているとせっかくのおうちの大画面TVに手近にある物を投げたくなってきます…。
私は嫌いじゃないですよ。さ、続編の「フランケンシュタインの怪獣・サンダ対ガイラ」観よーっと。
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