日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「日本沈没」(2006版)を観る。

 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で観ましたよ♪
 コレクションの中から、大画面で観たいものを選択。、73年版の方が観ている回数は多いですけど、06年版も実は複数回観ています。「日本沈没」2006年版は、何回観ても自己評価低いので、大画面で見たら評価変わるかなと思って。無論リメイク版だから比較されてしまうのは仕方がありません。しかし、この06年版は、良いところを探すのが本当に難しい作品であるのは事実です。
 「タイタニック」も好きなんですけど、ジャックとローズにお話は、私にとっては不要。この手の物語に何故恋愛要素を入れないといけないのか、理解に苦しみます。恋愛はちゃんと恋愛ドラマで観たい派です。73年版も小野寺(藤岡弘)と阿部玲子いしだあゆみ)の恋愛ドラマがあります。これは原作にもあり、要所要所で邪魔にならない程度で出てきますが、物語の中心はあくまでもD計画を進める田所博士、政府、官僚の動きです。そしてラストシーンで、別々にスイスを目指す2人で幕を閉じます。
 ところが、06年版では、草なぎ君は、主要人物でありながら殆ど計画に参加せず、柴崎コウは、東京消防庁ハイパーレスキュー隊員で、訓練中に怪我をしてこれもまた戦線を離脱している。やたら2人の時間が多いのも気になります。
 「吊り橋理論(効果)」というのがあって、緊張状態にある男女は恋愛に落ちやすいといいます。吊り橋程度でもそんな状態になるのなら、日本とか豪華客船が沈没するとなると、そりゃもうすごい効果的かもしれません。ですが、観客は色恋沙汰が観たい人ばかりではありません。特に、日本沈没の場合、中心はあくまでも日本沈没を予見してしまった田所博士の哀しみと一人でも多くの人間を脱出させようとする人間たちの生き様のはず。それに今が政治不信の時代とはいえ、一部の政治家のあまりにも無責任な言動、行動。映画の中だけでも、もう少しまともな政治家たちの姿を観たかった。。
 あえて良かった点としては、災害の画でしょう。かつてはミニチュアでしか再現できなかった崩壊の映像が、CGを使いよりリアルに映像化されています。六本木ヒルズを中心とした、東京都心部の崩壊は、なかなかのカタルシス。函館の津波も、昨年の3.11をみてしまうとインチキ感は拭えませんが、それでもなお、迫りくる海の恐怖はなかなかのものです。大雪山系の爆発、阿蘇山の爆発もすごかった。。
 無責任な政治家に翻弄されるのは常に庶民。玲子の叔母、伯父や店の常連さんたちに焦点を当てるのはよいのですが、前回よりも短かい尺なのに、もっと焦点を当てないといけないところはあるんじゃないかと思うのです。特にラストはどうもご都合主義的な感が否めません。柴崎コウかっこいいけどね。
 3.11があって、恐らく「日本地没」が今後映像化されることはまずないと思います。そういう意味では、結果論ではありますが、今回最後のチャンスでした。映画作りには様々なしがらみがあって、特に最近の制作委員会方式では、たくさんの人の思惑が交錯します。集客の為に、ジャニタレは使わざるを得ないというのも良く聞きます。いくら仕事とはいえ、そういった制約の中でも、なんとかするのがプロ。制作委員会はお金を出している人だから、意見をいうのは当たり前かもしれないけど、必要以上に意見して、現場を混乱させるのは絶対に良くない。委員会の意見を聞き過ぎて妥協に妥協を重ね、観客の顔が見えなくなっちゃったりすると映画としての完成度は低くなる。ここら辺のバランスは大切ですね。