これまでも、何度となく引退をほのめかしていましたが、さすがに今回はNHKまでニュース速報を流すなど、外掘を埋められてしまい、これまでのような"辞める辞める詐欺"ではないでしょう。
最新作「風立ちぬ」は、観てる方は、生きろというメッセージなどと言っていたりしますけど、これまでのメッセージ性を前面に出した作品とは異なる極私映画だと思います。見方によってはこんなに内面をさらけ出した映画を作ったら恥ずかしくて次は作れません。
宣伝コピーは「生きねば。」ですが、これも宮崎監督自身の叫び。{(人間は矛盾を抱えている。それでも)生きねば。」という感じ。兵器好きの戦争嫌い。女嫌いの少女好き。人なんて生きていれば様々な矛盾を抱えていて、それでもこの世に生を受けた以上、生きていかないといけない。それをそのまんま表現してしまった。鈴木プロデューサーは今回の作品を「宮崎駿の遺言」と言いましたが、確かにその通り。この作品以降になにを作っても全ては一面的なものにしか映らない。
宮崎監督も72歳。さすがに後進に席を譲り、新しい世代を育てるようにならないとジブリを始め日本のアニメーション業界に未来はない。とはいえ、宮崎駿は人を育てるような広い心があるとも思えないので、静かに去っていく方が賢明。正直、引退発表すら必要ないと思う。
いまとなっては、宮崎監督に若い頃の底抜けの冒険活劇を作れというのは無理。後年の黒澤明監督に「七人の侍」みたいな作品をもう一度と言っても無理だったように。
これからは、表に出ず、口を出さずに、ジブリの若手のやることを後ろから支えるような立ち位置であって欲しいものです。
まずは、6日の引退会見で何をいうのか、ちょっと気になります。新作発表になったら笑いますw