昭和の名優がまた逝ってしまわれた。
とはいえ、健さん出演作品を沢山見ているわけではありません。70年代の任侠ものは皆無。1955年というから、私が生まれる10年も前にデビュー。1963年『人生劇場 飛車角』以降の任侠映画、1965年『網走番外地』シリーズを経て、東映から独立。ここら辺の作品はポスターを観た程度。そしてフリーになってからの1977年の『八甲田山』同年『幸福の黄色いハンカチ』これくらいから観るようになってきました。
『幸せの黄色いハンカチ』は私の中でベストテンに入る名作。高倉健といえばヤクザ、網走番外地というイメージはありましたから、その健さんが網走刑務所から出所して、待ってくれているかもしれない女性(倍賞千恵子)の元に桃井かおりと武田鉄矢と共に向かうロードムービー。冒頭駅前の食堂でビールとラーメンを食べるシーン。これがもう本当に美味しそうに飲み食べる。演技に厳しい山田洋次監督も一発OK。撮影後どうしてあんな演技ができるのかときいたら、2日間何も食べていなかったといったそう。沢山の黄色いハンカチがはためいているのは、映画のポスターの絵柄で、よく考えてみればこれってクライマックスのネタバレ全開。そうみんな最後がハッピーエンドだってわかってるのに、夕張の街をひた走る赤いファミリアに乗った3人と一緒になってドキドキしてしまう。
翌年角川映画第3弾「野性の証明」で元特殊部隊員の味沢を演じる。薬師丸ひろ子のデビュー作。これがまたかっこいい。養女として育てた娘に父母を殺した犯人と疑われ続けながらも、全身全霊をかけて守る姿は、男の中の男。当時高倉健47歳。設定上の年齢は判りませんが、今の私とほぼ同い年なんだ…。渋い、渋すぎるよ健さん。
ハリウッド映画「ブラックレイン」も良かった。松田優作の遺作となった本作は彼のすごさばがりがクローズアップされがちですが、高倉健さんの日本人の美徳を体現していた姿も素晴らしかった。
↓予告編↓
スクリーンの中も外も魅力に満ち溢れた高倉健さん。男の生きざま見せてもらいました。健さんみたいになりたいけど、どう考えても自分のキャラじゃない。。でも実は結構お茶目立ったという逸話もあり、真面目なお茶目という路線だったら行けるかも。
まさに邦画界の至宝。
お疲れさまでした。ゆっくりお休みください。
明日はお休み。いくつかもってる健さん出演作品の追悼上映をしよう。。
「野性の証明」より、”戦士の休息”