北森鴻著・講談社文庫
「親不孝通りデティクティブ」の続編。とはいえ、テッキ&キュータの"かも・ねぎ"コンビ高校時代の「とんでもない」話。
警察や地元暴力団を敵に回しての大活劇。といえば聞けはよいけど、話の発端はお調子者のキュータが美人局に引っかかったこと。1千万の大金を要求されたキュータは、信用金庫の銀行強盗をすることに。強盗は大成功したものの、その金を狙った暴力団に追われるハメに。全然関係ないテッキをも巻き込み、話はさらに大きくなっていきます。
「―デティクティブ」の続きを期待していたものの、そんなことを忘れるジェットコースター的展開。問題は、関東にしか住んだことのないσ(・_・)的には博多の土地勘がないことと、耳慣れない博多弁。人称が、テッキになったり、キュータになったりするのは前作同様だけど、前作みたいに章立て毎に人称が入れ替わるのではなく、突然キュータになったりテッキになったりするから、一瞬混乱するのは困った。個人的にはテッキ目線で描いてもらっていたほうが読みやすかったかな。
つまらない高校時代をすごした私にとってみれば、命の駆け引きにもなるテッキ&キュータの生活はなかなかに眩しい。
続篇を期待させるラストシーンではあるものの、既に北森鴻はおらず、テッキ&キュータのコンビのお話しもここで終わりなのは寂しい限り。

- 作者: 北森鴻
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/01/09
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る