大樹 連司著・角川文庫
アニメ版GODZILLAの前日譚を描く小説シリーズ2作目。今週末から第2章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』が始まります。
映画は、ゴジラに敗れた人類のうち1万5千人を乗せた宇宙船による他惑星への移民で、向かった先が移住に適さない星ってことでまた地球に戻ってゴジラから地球を取り戻すというお話し。映画版がウラシマ効果で、2万年後の地球でのゴジラとの対決を描くのに比べ、小説版は、1999年に初めて巨大生物が現れゴジラを中心とした”東宝特撮怪獣”に世界中が蹂躙されていく様子を描いており感情移入しやすい。
圧倒的な強さのゴジラ。友好的異星人の助けを借りながらも都市は壊滅し次々と倒れていく人類。まだ数億残っていても移住できるのは1.5万人。絶望的な状況をこれでもかと描いているのがアニゴジプレストーリーの小説版です。
「怪獣総進撃」とか「ファイナルウォーズ」並みに全世界を怪獣が襲います。東宝自衛隊のスーパーメカや今作は妖星ゴラスまで出てきて東宝特撮映画のオマージュっぷりが半端ないので東宝特撮好きはニンマリしてしまう描写がたっぷり。
正直、映画の方は決して悪い出来ではないのですが、2万年後といわれてもピンとこず、やっぱり怪獣が壊すのは現実と地続きの現代世界の方がしっくりきますし、大きさは確かに過去のゴジラと比べても桁外れなんでしょうが、しょせんアニメなのでいまいち怖さを感じません。いや、頑張ってはいるんですけど、暴れるのが森の中では面白みに欠けます。
その点、今回の小説は、町の破壊はあるものの、ヒマラヤを崩してゴジラを生き埋めにするとか、2000発の核弾頭を地下で爆発させて幅1kmの渓谷を作り進行を抑えるとか、スケールがでかい。妖星ゴラスもゴジラの熱線ビームで一撃だし、ゴジラの巨大さ強さがこれでもかと出てきます。
この小説版の方映画化すればよいのに。
1章はとりあえずみたのですが、今週末からの第2章は検討中。スクリーンで暴れる超巨大ゴジラはいいんですけどね…。