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「沈黙の艦隊」

 かわぐちかいじ著・講談社(モーニングKC全32巻/愛蔵版全11巻/文庫版全16巻)
沈黙の艦隊 全32巻完結(モーニングKC ) [マーケットプレイス コミックセット]
 1988年から96年まで連載。8年かけて描かれた作品ですが、物語内の時間は2カ月。最初の頃、もっぱら喫茶店に置いてあったのを読んでいたのですが、最後まで読んでいませんでした。連載終了から22年、初めて最後まで読みましたが、一言、
傑作です

 大ヒットした作品ですから、知ってる人はなんとなく知っていると思います。日米で共同建造した日本初の原子力潜水艦「シーバット」。艦長の海江田は突如艦内で全乗員と反乱を起こし、独立戦闘国家「やまと」を名乗る。元々アメリ第7艦隊籍だった「シーバット」の勝手な行動をアメリカは許すはずもなく次々とやまと撃沈の為の刺客を放つ。どうやってこの難局を切り抜けるか、ここら辺は潜水艦戦の面白さ。そして海江田艦長の独立国家構想の真相が徐々に明らかになる。
 地上に配備された核ミサイルと異なり、原潜に配備された核兵器は、容易にその場所を突き止めることができない為、報復攻撃の的にはならない。それを最大限に生かすために潜水艦が国家体から独立して世界の警察になる。そして、核保有国から核兵器を廃絶し、更に国家そのものも解体、国連を受け皿として"世界政府"を作り地上から戦争を根絶する。アメリカを始め核保有国、そして日本。既得権益を持つ各国はどのように対処するのか。艦隊戦を挟みながら、後半は政治劇に重みが置かれます。
 連載終了から20年以上経ってますが、物語の中にある様に人々は戦争を憎み、核を憎んでいるにも関わらず、海江田の提唱した世界政府も軍縮も一向に進んでいません。もちろんこの物語はフィクションですが、海江田のような男が現れても大勢を変えることはできない。ではどうすればよいのか。このまま人類は滅亡するまで、核の恐怖に怯え続ける宿命なのか。

 核さえ持っていれば、大国と対等には話ができる。貧乏国家の北朝鮮ですらアメリカを交渉のテーブルに着かせることができた。強大な核の力を元にしないと平和や発展が保てないというのは、砂上の楼閣に過ぎない。

 連載時から世界的には米ソ冷戦が終結したり、911同時多発テロがあったり、日本では阪神淡路大震災東日本大震災、特に東日本大震災では原発メルトダウンまで起きた。世界を巡る動き、核を巡るさまざまな動きがあったけど、「沈黙の艦隊」が問いかける問題は決して古びることなく読者のこころに訴えかけてきます。

 長いので読むのは大変ですけど、機会があったら読んで欲しい作品です。満喫とか行くと揃っているんじゃないかな。
 超おすすめ。

モーニングKC(オリジナル版) 

1巻の厚さが5cm以上!迫力ある愛蔵版場所を考えるとこっちがよいかも。(講談社漫画文庫版)

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