綾野ことこ著・KAエスマ文庫
高校弓道を描いた「ツルネ -風舞高校弓道部-」の続編。昨年2月初版で今のところ最新刊。
1年生のみで、強豪桐先高校を向こうに回し県大会を制した風舞高校の5人。次の目標はインターハイ。
一方の桐先高校は失意の中、来年の大会を目指す。ところが今年は記念大会で、地方大会に優勝することでインターハイ出場枠が貰えるという。
地方大会の会場で、湊は中学時代弓道部の先輩だった二階堂と再会する。二階堂は辻峰高校の2年。国体選手を擁する高校で、桐先と並んでインターハイの優勝候補。さて勝敗の行方が気になるところですが、それは読んでのお楽しみ。
2巻では、各登場人物の弓に対する思いがさらに深く描写されています。
遼平は剣道をやっていたのだけど、剣道は敵がいて、敵に打ち込まれると痛いって思うのと同様、自分が決めると相手も同じくらい痛い。それが嫌で弓道を始めた、と言っていましたが、私もまったく同じ理由。
弓の敵は的であり、自分自身。中るも中らないも自分次第。
正射必中という言葉がある。
正しい射でなくても中ることはある。でも正しくない射では確実な中りにはならない。正しい射を極めると必ず中る。これが正射必中という意味。
ただ中てればよいというものではない。よく中る人でも必ずしも理想とする弓引きとは言えない。射位に立っての射法八節だけでなく、射場での立ち居振る舞いがやはり大切。
愁くんは高校生とは思えない素晴らしい弓引きです。コーチの滝川も若いけど指導者としても素晴らしい。風舞高校のみんなも悩みながらもどんどん成長していって頼もしい。
季節も良くなってきた。
再来週から三段講習会も始まる。
今年もたくさん練習して、試合にも出、少しでも理想とする弓引きになりたいものです。