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「人狼天使第II部」

人狼天使(2) アダルト・ウルフガイ・シリーズ (NON NOVEL)

平井和正著・kindle/祥伝社・NONNOVEL版
アダルトウルフガイシリーズ第8巻。

憑霊都市ニューヨークで悪魔崇拝の行なわれる場所を突き止めた犬神明は、そこに入ろうとするマイクブローニングを発見して逆上、マイクを救うべく単身スパイラルタワーに突入する。
この頃の平井和正は、プロットも何もなく思いつくままに筆を進める”言霊使い”を自称し始めた時期。数日ならまだしも数時間を1巻丸々使うこともしばしば。幻魔大戦の後半なんか登場人物が語り合う3時間くらいの話で1巻終わってたことも。言霊使いはいいのですが、物語をコントロールするのも作家としての力量ではないかと。いえいえ、情念ほとばしる作品は、1時間の内容でも目を離せずぐいぐい引き込まれる。平井和正は不世出の作家であります。

 フィジカルな描写も多いのですが、いかんせん相手が悪霊憑きの人間やドブネズミなので、敵との会話は成り立たない。悪魔の人間世界への侵攻を食い止めるにはいかな狼男でも荷が重すぎる。ニューヨークに着いて仲間になったジュディ、ロディでは弱く、頼みの綱の雛子はいまだにでてこない。超応力探偵のィヴィッド・ファーマーは使い物にならず。頼みの綱はニューヨーク市警のダニエル・ルート刑事との親交。救出されたマイクの弁ではアトランティス時代からの魂の繋がりがある様子。

 敵が強大すぎて、開いた風呂敷が畳めないのは、サイボーグ009と一緒。神に手を出すと、作品は袋小路に嵌る。神とは何かを突き詰めていくことは、自分の裸を晒すに等しい。

 人狼天使や幻魔大戦を書いている頃(1978.9祥伝社NONNOVEL書き下ろし)は、既にGLAは退会し自分なりの宗教観を確立していたはず。それを小説として昇華させようとしたのが幻魔大戦でありアダルトウルフガイだったんでしょうが、残念ながら最後まで書かれることはありませんでした。

 さて次、最終巻「人狼天使第III部魔王の使者」行きます。

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