なんて美しい。晩年もステキでしたが、若い頃の美しい事ことといったら!
一番最初に彼女を意識したのはNHKのドラマ「阿修羅のごとく」(第1部1979年第二部は翌年全6話)。
4人姉妹(加藤治子、八千草薫、いしだあゆみ、風吹ジュン)の次女巻子役。老齢の父(佐分利信)が母親を裏切って若い女と浮気をしている。穏やかな母の秘めた怒りと、4人姉妹それぞれの人生。最後父が亡くなり墓石の前で巻子(八千草薫)の夫の緒形拳が呟く「女は阿修羅だな」。
03年に森田芳光が映画化しており、その時は八千草薫が母・ふじの役でした。
「俺たちの旅」のオメダのお母さん役もステキでした。
「岸辺のアルバム」では、竹脇無我と不倫する普通の主婦。多摩川氾濫で家が流されるオープニング(曲はジャニス・イアン「Will You Dance」)は有名ですね。
『岸辺のアルバム』
「茜さんのお弁当」も好きなドラマでした。
穏やかだけど芯の強いお母さん。
宝塚の娘役で若い頃無茶苦茶美人だと知ったのは、「ガス人間第1号」の藤千代を観た時。最初「誰だこの綺麗な人は」と思ってたらなんと八千草薫!1960年作品ですから、29歳の時の作品でした。
最近までテレ朝「やすらぎの郷」に往年の女優・九条摂子役を演じていました。
年上のしかも母親の年齢の方が近い女優さんで好きになった唯一の人。
私生活では映画監督の谷口千吉と”略奪”婚という激しい一面も。谷口監督とは50年連れ添い死別というのも八千草薫さんらしい。
昭和の名優がまた一人。
享年88、ご冥福をお祈りいたします。