各月刊誌「昭和40年男」増刊号。本誌は隔月ですが、間にこれまで掲載記事をテーマ別に編んだ総集編が出ます。
今回のテーマは「昭和の愛」。
巻頭言はこんな感じ。
「昭和は愛であふれていた。現代が枯渇したとは言わぬが、アナログ時代の愛にはぬくもりがあり、不便さゆえに生じる創意工夫も愛のスケールを大きくさせた。加えて、社会を形成していた大人たちの体験も大きい。戦争だ。ほとんどの大人たちは極貧を経験しているから、その子供世代に同じ思いだけはさせたくないと必死の努力を積み重ねたのである。つまり愛してくれたのだ。豊さにおいてはまだまだ途上だったが、大人たちから注がれる愛は沸点だった。日常の中に、そしてブラウン管の中にも愛がどっさりと詰まっていた。男と女の愛憎劇を成長過程でそれぞれに学びながら、心を覚醒させてきたのだ。この一冊に、昭和の愛をどっさりと詰め込んでみた。受け取った胸を開いて、愛あふれる男で生き抜いてほしい。」
齢を取って嗜好が変わったせいもしれませんが、最近真正面から愛を語るドラマって少なくなった気がします。
昔は、ドラマだけじゃなく、映画もアニメですら大上段に振りかぶって観ているこっちが恥ずかしくなるくらい愛を語っていました。
とはいえ、小さい頃から様々な愛のカタチに触れる事が出来たのは今となってはよかったのかもしれません。
冒頭から、川内康範です。
男女の会いではなく、人類愛。「愛の戦士レインボーマン」「正義を愛する者月光仮面」ですよ。
歌の世界で愛を綴り続けた阿久 悠。
70年代~80年代、「岸辺のアルバム」「想い出づくり」「ふぞろいの林檎たち」。変わっていく家族の愛の形をドラマにした山田太一。
そして、ウルトラヒーローが教えてくれた愛の形。
TVでは再放送されることは今後ないであろう『アパッチ野球軍』から考える!「チーム愛」。
表紙にもなっている『ラ・ブーム』シリーズのソフィー・マルソー。
可愛いかったなー。今でも十分可愛い。
その他、
宇宙大の愛 ウルトラの母
美しき母 メーテル
母性愛が、マンガ家 手塚治虫を作り上げた
中山千夏が語る『じゃりン子チエ』の浪速のオカン
『金八先生』から学んだオフクロとのつき合い方
男にとって母親とは…『母に捧げるバラード』
昭和の母親像 八千草薫
など母性について。
昭和の時代にありとあらゆる愛が巷にあふれたせいで、90年代以降は変化球ばかりになった。
素直に愛を語ることができなくなったばかりか、人が人を愛することに躊躇するようになったんじゃないかと思う。
でも、歴史は繰り返すので、そろそろ直接的に愛を語ってもおかしくない時代がすぐそこまで来ているような気がします。
そうすれば、デートをする男女も、そこから結婚をして家族を作る男女も増え、少子化に歯止めがかかる、かも…。