元OL也映子(波瑠)、主婦 幸惠(松下由樹)、大学生理人(中川大志)の3人がそれぞれの理由でバイオリン教室のグループレッスンに通う。
也映子は、寿退社のその日に婚約者から婚約破棄をされる。
幸恵は、姑とうまく行っておらず、夫は浮気をしているけどしっかりと主婦業をこなしている。
理人は、兄の婚約者だった眞於(桜井ユキ)を慕うあまり、眞於が講師をしているバイオリン教室に通うことに。
20代後半、40代、そして19歳(途中で成人する)の世代の違う3人が、”バイオリン”を通じて友情を育む。
それだけと言えばそれだけの話なのですが、世代の違う利害を超えた友人というのは、なかなかできない。会社では20代から50代後半までいますが、そこには役職でなくても社歴という、自然と上下関係があり本当の意味での友人はできない。
そもそも私の場合、会社で友人を作ろうなんて気は社会人になってから一度も思ったことない。それは生き方の問題であって、会社で友人を作ることをよしとする人もいて、それを否定はしない。
でも、会社というのは多かれ少なかれ利害が絡む。同期だとか、昔一緒に仕事をしたとか、そういういわゆるヒト系で本来動かないものが動いたりする。そういうのっておかしいとずっと思っていました。
だから、趣味を充実させるというのは、大げさに言えばライフワークだと思っています。
仕事で辛い事があっても、趣味が充実していれば我慢できる。
よく同僚でゴルフが趣味、という人がいますが、ゴルフはどうしても仕事が絡んできます。純粋に趣味でゴルフをやっている、会社の人や、取引先とは絶対にやらないという人はいないはず。そういう意味では、ゴルフは仕事の一部です。
本来交わらない人と交友関係を結ぶのは大人になればなるほど難しくなります。そこで、今度は学生時代の友人と遊ぶようになる。これはこれで、学生時代の関係の継続で自分の成長はありません。
「G線上のあなたと私」は、ラブコメ要素を盛り込みつつ、大人の生き方の再構築を描いた作品でした。
原作はコミックス4巻、ドラマは全10話でありながら、ストーリー展開はずいぶん異なります。最終回も漫画と異なりましたが、ドラマ版の方が断然よかった。それは、脚本の力もさることながら、波瑠、松下由樹、中川大志くんの演技の賜物。それ以外の登場人物も原作以上に掘り下げられていました。なかなか原作を越えたドラマ、映画というのはないのですが、「G線ー」は原作を越えたドラマであると思います。
物語が進めば進むほど、登場人物に感情移入でき、特に波瑠や松下由樹の演技は素晴らしかった。
続編は不要です。このドラマは安易に続編を作るドラマではないと思います。
久しぶりにほぼ全話リアルタイムで観ました。
平均視聴率は9.6%。もう少し伸びてもよかったんだけど、残念。
火曜ドラマ『G線上のあなたと私』最終回直前SPダイジェストMV【TBS】