菊池秀行著・青土社
現在このシリーズは朝日新聞社の朝日ノベルズで刊行されていますが、今回はクトゥルー神話をテーマにした創土社レーベル、クトゥルー・ミュトス・ファイルズのひとつとして出版社を変えて刊行されています。
"エイリアンシリーズ"といっても、宇宙船を襲う異星人の話ではありません。紛らわしいので、最近は"トレジャーハンター八頭大シリーズ"とかいっています。
1983年「エイリアン秘宝街」(ソノラマ文庫)スタートし、今回の「―邪神宝宮」で16作目。シリーズは以下の通り()は初刊年。
(83)エイリアン秘宝街
(83)エイリアン魔獣境(全2巻)
(84)エイリアン黙示録
(84)エイリアン怪猫伝
(84)エイリアン魔界航路
(85)エイリアン妖山記
(86)エイリアン邪海伝
(89-94)エイリアン魔神国(全6巻)
(00)エイリアン蒼血魔城
(02)エイリアン黒死帝国(全2巻)
(09)エイリアン旋風譚
(10)エイリアン虚空城
(13)エイリアン幻想卿
(15)エイリアン兇像譚
(16)エイリアン孤島鬼談
(19)エイリアン邪神宝宮 ←今ここ
37年も続くシリーズ。2000年くらいまでは、菊池秀行の他シリーズも読んでいましたが、今はこのシリーズだけを読んでます。実際面白かったのは、「-怪猫伝」くらいまでか…。
菊池秀行はこれまでもクトゥルー神話ものを書かれていますので知的生命体の遺物を求めるこのシリーズにクトゥルーを絡めるのもありっちゃーありなのですが、いかんせん、”クトゥルー神話”絡みはラグクラフトの原本も含めて全く読んだことがなく、基礎知識すらないので、出てくる邪神のバックボーンがわからない為、読み進むのに難儀しました。
なので、今回大が求める宝の有難みもよくわからず、いつもの絶大な八頭家の資金力と金に飽かせた技術力での武器の類で強引に突き進む大という基本路線は楽しいものの、恐らく本来あるべき面白さを感じきれなかった。これはもちろん自分の浅学が原因なのですが。
しかし、大は今何歳なんだろう。第1作が高校生だとすると、ほぼ私と同い年くらいのはず。ハチャメチャでエロいパートナー太宰ゆきも50を超えた熟女になっているはず。恐らく作品内の年はほんの数年、もしくはサザエさんやちびまる子ちゃんみたいに同じ1年を繰り返しているのか…。
お宝があってそれを探す、というコンセプトなので、このまま完結はしないんでしょうね。どこまで付き合うか、それが問題です。
でもま、出たらまた読んじゃうんでしょうけど。

- 作者:菊地秀行
- 発売日: 2019/11/25
- メディア: 新書