日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「鬼滅の刃」完結

ネタバレ含みません。23巻の内容にも触れません。長文なので時間のある時にどうぞ。

 「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」

 鬼に襲われ、家族を惨殺された主人公、竈門炭治郎は、息のあった妹禰豆子を助ける為、おんぶして雪道を進みます。途中、禰豆子は鬼になり暴れます。そこに現れたのが、人知れず鬼を退治する組織”鬼殺隊”の隊士、冨岡義勇。
 鬼になった禰豆子を殺そうとした義勇に、炭治郎は土下座をして禰豆子の命を助けるよう懇願します。そこで義勇が発したのがこの言葉。
 義勇を含め、鬼殺隊の隊士のほとんどが、自分の大切な人を鬼に殺されています。だから、唯一残った家族を殺さないで欲しいという炭治郎の気持ちは痛いほどわかる。でも鬼狩りとして鬼をほおっておくわけにはいかない。炭治郎は、義勇に対し決死の覚悟で挑みます。当然義勇に倒され失神。目が覚めると、禰豆子は竹の猿轡をされて横たわっており、鬼狩りの育手である鱗滝のもとに行くように告げる。

 こうして始まった「鬼滅の刃」が全23巻をもって完結しました。
 アニメが始まった頃に話題になっていましたが、少年ジャンプ連載だし、また「ONE PIECE」みたいにやたら長く続くんじゃないかと思い、敬遠していましたが、「無限列車編」の映画化に始まった大ブームで、まずはTVシリーズをamazonプライムで観てハマり、無限列車編を観た頃、既に原作は完結ということで、原作本を読み始めました。
 
 22巻までは、既に4周以上読み直しました。そして今日、最終巻がついに刊行。22巻が鬼舞辻無惨との最終決戦で続きが気になるところですが、完全に情報をシャットダウンして23巻に臨みました。
 …漫画で泣くなんていつ以来だろう。アニメではよく泣かせられるのですが、漫画や小説では一旦頭の中で考えるので、その時に感情が整理されるのか感動はしても泣くまでには至りません。でもこの23巻は最初からクライマックスで、登場人物の言葉や動き、感情がダイレクトに訴えかけてきます。

「永遠というのは人の想いだ 人の想いこそが永遠であり 不滅なんだよ」

鬼殺隊の元締、産屋敷家の当主産屋敷輝哉のセリフです。産屋敷家の当主は”お館様”と呼ばれ、代々鬼殺隊の司令塔としての役割を担っています。
これって、今から40年も前の作品、「銀河鉄道999」にも通じていて、「さよなら銀河鉄道999」で、キャプテンハーロックが、このように言っています。
「親から子へ。子からまたその子へ血は流れ、永遠に続いていく。それが本当の永遠の命だと、俺は信じる」
ハーロックの場合、遺伝的要素(血)で、語られていますが、お館様の言葉は、更にそれを昇華して、現代に生きる人々はすべからく志半ばでなくなっていった多くの先人たちの想いをも引き継ぐことが、”永遠の命”であると言っています。

鬼滅の刃」の存在価値
 主人公の炭治郎君をはじめ、癖のある人物が多く、かつ、鬼殺場面ともなるとかなり残酷、暴力的で、ぱっと見には教育上よくないように見えます。人というのは色々な想いをもって生きていて、1日々々が”ダークサイドからの誘惑”との戦いです。それに打ち勝とうとする鬼殺隊側のそれぞれのあり方と、”ダークサイド”に落ちてしまった鬼たちとの闘いは、「よく生きようとする人のこころ」を眼前に開いてくれます。
 見た目の派手さ、かっこよさだけでこれほどの人気にはならないと思います。どんな作品であっても、しっかりと心が描かれていることが人気の条件。それを十二分に満たしているのが「鬼滅の刃」です。
 勿論、アニメも原作を損なうことなく、丁寧に作られている点も重要。映画の無限列車編がPG12に設定されたことで、親が子供に見せるためにルール上、親も作品を確認しないと映画を見せられない。親の立場のキャラクターの言葉がその親をも引き付け、単に暴力的な作品と判断されていないのも、この大ヒットの理由です。

 今年は特にコロナ禍の影響で、家族や、仲間との絆について意識せざるを得ない年でした。「正しくあるとはどういうことなのか」「自分の生や人生は意味のあるものなのか」を自問する日々が続いています。
鬼滅の刃」には、そのひとつの答があります。
 ヒットしているからとか、しょせんジャンプ漫画とか、絵が嫌いとか、いろいろな理由はあると思いますが、今だからこそ老若男女すべての人のこころに響く物語であると断言できますので、是非読んで欲しい作品と思います。

 今後について
 アニメ化されているのは、原作全23巻中8巻まで。まだ物語の前半です。映画の大ヒットで恐らく今後もアニメ化が続くはず。と考えると、「鬼滅の刃」完結までのアニメ化は相当な時間がかかるでしょう。
 原作既読でもアニメを見て感動することができましたので、現体制を維持して最終話までアニメ化されることを切に希望します。
 作者はもう続編は描かないと言っています。物語としてはきれいに完結していますので続編の必要はありませんが、この作品で描き切れなかった登場人物たちの物語はまだまだたくさんありそうですので、外伝的に作品を続けてくれると嬉しいです(勿論しっかりと吾峠先生総監修で)。

 まさかこの年で少年漫画にこれほど感動させられるとは思いませんでした。
 これから出るであろうアニメを楽しみにしています。
 それまで何回読み返すかな。

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