日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「世界大戦争」

世界大戦争
 
1961年・東宝 松林宗恵監督・特技監督は勿論円谷英二
昭和36年度芸術祭参加作品。110分

東西冷戦の真っ最中。核戦争による第3次世界大戦が差し迫った脅威と認識されていた時代。

一触即発の連邦国(恐らくアメリカを中心とした資本主義側)と同盟国(恐らくソビエトを中心とした社会主義側)。連邦国側の合同訓練の海域に同盟国の潜水艦が侵犯してきたり、ICBMが発射数秒前でシステムの誤作動が分かり間一髪危機を回避したり、38度線での小競り合いなど、世界中で一触即発の状態。政府も世界の首脳と連携を強めているが、なかなか解決策が見つからない。
そんな政府の動きとは別に一般市民はきな臭いものを感じつつも、普通の生活を営んでいる。

この映画は、マクロな動きを追いかけつつも、比重としては、市井一般人が当時考えられていた「核戦争」が起きたらどうなるのか、という視点で作られています。

主役のフランキー堺は、この映画の3年前に名作「私は貝になりたい」で、招集されて無事生還したものの、戦時中の行為でBC級戦犯として逮捕され理不尽にも絞首刑にされる一市民の役を熱演しました。この映画でもプレスセンターのお抱え運転手という市民の役。
奥さんは音羽信子。娘は星百合子と、幼子2人。星百合子は既に就職をしていて、もう一人の娘はまだ小学校に上がったばかり、その下の長男はまだ就学前。子供の年齢差に違和感を感じましたが、年齢的に、星百合子は恐らく戦中、召集前の子供で、その下の2人は戦後復員してからの子供という事ですね。

 運転手という決して高くない給料を貯めて、病弱な妻と子供3人を育て、小金を株で運用する。長女の結婚も決まり、人生これからという時。子供たちの手が離れたら、愛妻に別荘を買ってあげたい。小学生の娘はスチュワーデスにしたい。一人息子は自分がいけなかった大学にもいかせたい。私たちが日頃考えるような家庭のささやかな望みも戦争は一発のミサイルで破壊してしまう。なんともやりきれない思いになります。


 ロシアによるウクライナ一般市民を巻き込んだ侵攻が、まさに現在進行形で起きており、プーチン大統領は核ミサイルの使用までちらつかせている。
 核を使ったら、「世界大戦争」が現実のものになる。まさか…と思いつつ、「窮鼠猫を噛む」の例もあり、今後どうなるかは誰にもわかりません。

 遠いヨーロッパで起きている事と考えるのは早計で、昔以上に世界の距離は近づいています。
 ロシアが核を使えば、アメリカも黙っていない。
 ロシアは、アメリカと歩調を合わせている日本に侵攻してくるかもしれない。
 どさくさに紛れて、中国が台湾に侵攻するかもしれない。
 ミサイルを打ち続けている北朝鮮の動きも気になる。
 韓国は、日本を意味不明な敵視を続けている。

 とはいえ、小市民の私たちは、この映画のように右往左往するか、フランキー堺のように運命を商用と受け入れるしかありません。

 ICBMが日本に向かって飛んでくることが分かった時、フランキー堺一家は、みんなで卓を囲んでごちそうを食べます。
 結婚が決まった星百合子は船乗りの婚約者とモールス信号で会話をします。「コウフクダッタネ」「タカノサン アリガトウ」。

 人の幸せを壊す権利は、誰にもありません。

 為政者は、何が幸せか、人の命奪って得る幸せがあるのか、真剣に考えて欲しいと思います。

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