日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「PeepingLife×怪獣酒場 かいじゅうたちがいるところ」

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 昨日発売。「PeepingLife」最新作。とうとう10作目。今回は円谷プロ「怪獣酒場」とのコラボレーション。

 居酒屋の店長、バルタン星人がツインテールが釣れる釣り堀で無職のグドンと語る第1話「バルタン星人とグドン 釣堀の情事」からスタート、以下
 売れないバンド、ボーカルのダダとギターのジャミラの駅のホームでの会話「ダダとジャミラの「俺、バンドやめるわ」」、
 ガラモンとケムール人がクラスメートの女の子にダブルデートを誘う電話をする話「ガラモンとケムール人 酒場前の公衆電話にて」
 水が苦手なジャミラが皿洗いを止めさせてもらおうと板前ゴモラと裏口で話す「板前ゴモラと新人ジャミラ
 以下、「バルタン店長と店員のカネゴン」「メトロン星人と防衛隊員」「ガッツ星人の切手収集談義」「ダダとノーバの酒場女子甲斐」「ギーゴンとゴドラ星人の本場の流しの歌い方」「薬販売のロボット長官とM1号お母さん」の全10話。5分×10話だから、1本あたり150円というのもなかなかリーズナブルw

(第1話「バルタン星人とグドン 釣堀の情事」特別配信されてました↓)


 有名どころの怪獣はともかく、ノーバ(ウルトラマンメビウス)とかバイオリン怪獣ギーゴン(ウルトラマンA)とかマニアックにも程があります。薬販売のロボット長官(ウルトラセブン・#43第四惑星の悪夢)とかもまぁ普通の人は知らないでしょうw
 ツボだったのは、「バルタン店長と店員のカネゴン」「メトロン星人と防衛隊員」かな。あと「薬販売のロボット長官とM1号お母さん」M1号のおばさん設定はハマりすぎです。

 ここのところ「PeepingLife」は手塚作品とかタツノコプロとかいろんなコラボレーションが多い。映像特典は「I・O DATA」とのコラボレーションで、「PeepingLife」レギュラー陣を回答者に据えてクイズ番組形式で新商品(2012年当時)を紹介するもの。相変わらずのゆるーい内容。

 「PeepingLife」と円谷好きなので、最高でしたw

 あ、ヴィレッジバンガードの特典は「ダダさんお面」でした。うーんいらないww


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「日本沈没」2006年版

 スタンダードエディションを先に買っていたので、そっちばかりみていて、2012年コレクターズエディション買ったものの今まで封も切ってませんでした。まぁ買って封も切らずにそのままのDVD沢山あるんですが…(^_^;)。

 今日は休みだったので、久々に「日本沈没」2006年版本編を観、コレクターズエディションの特典映像を観ました。
 特典は、以下の通り。

 特典ディスク1:内容
●メイキング・オブ・日本沈没
●TVスポット、予告篇集
●舞台挨拶映像集
●未公開シーン集(24シーン)ここに「もう1つのエンディング」が。
●フォトアルバム(静止画)
特典ディスク2:内容
VFXメイキング
●ニュース&モニター映像集
●Digital Intermediate(D.I.)の解説(ビフォーアフター)
地震に関する科学考証
●メカニックファイル(解説付き)
●1973年度版「日本沈没」オマージュ映像比較
●映画公開直前対談 小松左京VS樋口真嗣


ネタバレになりますが、「もう1つのエンディング」一番期待したんですが、多少シーンが追加されただけで本編とさほど変わっていなかった…。もしかしたら作戦失敗で日本沈没するとか、小野寺生還とか期待したんだけど、それはありませんでした。
新たな発見としては、小松左京VS樋口真嗣の対談。なんと、草磲くんは小松左京の希望だった。それと、福田麻由子ちゃんのお母さんが亡くなるシーンで出てくる医者と看護婦の名札には「復活の日」の主人公吉住(映画では草刈正雄)とその彼女、浅見(映画では多岐川裕美)の名前の名札をつけてたり、田所博士の飼い猫の名前がゴエモン小松左京「明日泥棒」の主人公)だったり、樋口監督が小松左京オタだったw
 小松左京もこの映画に合わせて(というか、便乗してw)作られた筒井康隆原作の「日本以外全部沈没」で渡老人のパロディ”不渡老人”役のオファーがあったとかw

 この日本沈没。公開から9年経ってるんで、ネタばれしちゃいますけど、日本沈没しないんです。勿論壊滅的な被害は受けるけど寸前で全島沈没を回避するという結末。
 舞台挨拶で樋口監督が、「73年版は逃げる映画でした。今回の映画は立ち向かう映画です」と。ある面確かにそうなんですけど、73年版も必死に戦っていた人がいました。しかし、自然の力の前ではなすすべがなかったので、うーん違うんじゃない?、と思ってしまいました。
 確かに絵として悪くない、むしろ、73年版よりもすごいと思う場面も多々ある。でも悲壮感が軽減されている感じがどうもなじめない。73年版は、国が一丸となって国家存亡の危機に立ち向かっていながらも、災害で亡くなる痛みのようなものも同時に感じる事ができた。それと、日本の黒幕、渡老人や丹波鉄郎ふんする山本首相をはじめとした、心から日本を愛する人を感じる事ができた。それが06年版はどうも希薄なのが気になります。やはり73年版お勧めです。あとTV版は尺が長い関係もあって丁寧に沈没までの混乱が描かれていて、こちらもお勧めです。


 

TV版もDVDBOXでてます↓

そして決定版の73年版↓

【東宝特撮Blu-rayセレクション】 日本沈没

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「野球狂の詩」

野球狂の詩 HDリマスター版 [DVD]

 1977年・日活・加藤彰監督
 fecebookのグループでこの映画が話題になっていて、ちょっと調べたらDVDが出ていて思わずポチってしちゃいました。金曜日にポチって日曜に着くって、ホント便利な世の中…。

 封切りの時に観に行きました。小学6年生だったと思う。
 何故見たのか全く覚えていません。というのは、元々[野球狂の詩」のコミックを映画観終わった後に買ったのを憶えている=「野球狂の詩」を読んでいたわけではないから。嫌、もしかしたらマガジンで連載されていたのを目にした事はあるかもしれない。。
 主演の木之内みどりは、「刑事犬カール」が同じ年の9月から。ということは木之内みどり見たさというわけでもなさそう。同時上映の「嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊」を友達が観たくてそれで行ったか?


 ただこの映画すごく印象に残っていて特に水原勇気役の木之内みどり好きでした。この映画を観て一気にファンになった。
 正直演技が上手いわけではない。薄幸そうな感じでありながら意志の強さを感じる。今から考えると昔からこの手の女性好きだったんだなぁ。


 内容は岩田鉄五郎53歳の盛大なる負け試合から始まる。サウスポー投手のいない東京メッツは次のドラフトで是非左腕投手を指名したい。一番人気の沢村慶二郎もメッツ入りを希望しているが、ドラフトでの東京メッツの順番は一番最後。しかしメッツは強烈な隠し玉をもっていた。それが水原勇気。ただ水原はソフトボールの投手でしかも女性。当時の日本プロフェッショナル野球協約では「第83条第1項に『医学上男子でないもの』を登録することはできない」がありました。プロ野球初の女性投手誕生なるか。協約改定は出来るのか。
100分に満たない映画ですが、原作をよくまとめています。

 昔の漫画原作映画って、無理して原作キャラクターに似せようとし過ぎです。イメージは大切ですが、ここまで似せなくてもよいと思います。しかしながら木之内みどりはメイクしなくてもまるで漫画から抜け出たようなまんま水原勇気。この後TVで斉藤由貴が勇気役をやりましたが、軍配は言わずもがな。
 蛇足ですが、クレイジーキャッツ谷啓犬塚弘の競演が東宝以外で観れるというのも、映画好きには面白いシーン。
 

 調べたら野球協約は1991年に改訂されて、今では女性でもプロ野球選手になれるそう。
 興行的にはあまり芳しい成績ではなかったようですが、私的には漫画原作ものの中で結構上位にあったりします。

 

野球狂の詩 HDリマスター版 [DVD]

野球狂の詩 HDリマスター版 [DVD]

 


 

「光の雨」

光の雨 特別版 [DVD]
 2001年・高橋伴明監督

 何度か観ています。何となく観たくなって観ましたが、日曜の午後にみる映画じゃありません。案の定、ドローン、じゃないどよーーーんとなって精気持っていかれました。
 
 「光の雨」は、立松和平原作小説の映画化ですが、原作「光の雨」は劇中劇という演出で、この映画の内容を描きつつ、映画を撮影するスタッフ俳優たちを描くという2重構造になっています。
 原作は、有名なあさま山荘事件の前日譚である革命左派による「印旛沼事件」で2名を殺害遺棄、その後連合赤軍による「山岳ベース事件」という12名の同志を総括、粛清の名のもとに虐殺した事件を主犯の一人坂口をモデルとした玉井という老人が語る物語。
 連合赤軍についての映画は2008年、若松孝二監督の「連合赤軍あさま山荘への道程」、「光の雨」の翌年に警察側から描いた「突入せよ!あさま山荘事件」、それと事件そのものではありませんが、これをモチーフとしたスプラッタ映画「鬼畜大宴会」(1997年)が作られています。


 連合赤軍事件は、生まれていたとはいえ、6、7歳位ですからリアルな記憶としては、延々TV中継された浅間山荘立てこもり銃撃戦位しかありません。その後発覚したこれらの事件については後追いで調べて戦慄したものです。

 
 何人もの仲間を殺したこの事件は、決して許されるものではない。でも極限に追い込まれた時、自分ならどうするか、そういう”踏み絵”のようなものを目の前に出されているような気がしてならなくて、つい調べて観たくなって沢山の本を読み映画を観ました。
 今の安穏とした生活視点から「これは悪いこと」「莫迦な奴ら」と断罪することは簡単です。でも実際にあの場にいたら自分はどう行動していただろう。
 映画「光の雨」のメタフィクション的な描き方は、初めてみた時、こういう描き方は正面からこの事件に向かっていない、と自分的には否定的でした。だから史実に出来る限り忠実に描いた(とされる)08年の「連合赤軍あさま山荘への道程」の方に共感しました。しかしながら、改めて「光の雨」を観てみると現代の若者が連合赤軍のメンバーを演じる中での苦悩を映画の中で描くやり方で現代とのシンクロを試みているという点でやっぱり”あり”だと感じるようになりました。
 それに余りにも凄惨な総括のシーンは、目をふさぎたくなるほど酸鼻を極めますが、これがあくまでも"劇中劇"であるという扱いにする事で、それが幾分和らぎます。実際にあったことだからといってそのままぶつけられる「連合赤軍あさま山荘への道程」は傑作ではあるけど、観客の精神は「光の雨」以上に強いものを求められます。そういう意味で、「光の雨」は連合赤軍ものの入門としては決して悪くないと思うのです。もっとも、立松和平の原作は2030年に死刑制度が廃止になって仮釈放となった老人、坂口(作中では玉井)の回想という形で物語が進められる変な近未来小説になっているんで、いまいち乗り切れませんでしたが。


 時代の狂気と一言では片付けられない連合赤軍事件。日本史の授業で端折られてしまう昭和史ですが、少なくともその時代に生を受けた者としては一般常識レベルで知っておく必要がやっぱりあるような気がしてならないのです。


 

光の雨 特別版 [DVD]

光の雨 特別版 [DVD]

映画2題


 先日借りてきた「地獄」(1960年中川信夫監督)と録画したまま観ていなかった「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」を観ました。


 「地獄」というタイトルで、これまで3回映画化されています(1960年中川信夫監督・1979年神代辰巳監督・1999年石井輝男監督)が、これはその一番最初の奴。

 79年、99年は見ていたんですが60年版だけ観ていなかった。しかも中川信夫監督と言えば日本のホラー映画の元祖みたいな人。おどろおどろしさでいえばピカイチ。
 中身的には、地獄に行ってからは他の「地獄」映画と大同小異ですが、なんといっても皮剥ぎ地獄の痛そうな事といったら。昔だからCGとかじゃなく肉と骨をそれらしく並べて、心臓がドクドク動いてるとゆー。針の山とかもガラス(じゃないんでしょうが)きらきら光る針が、もう痛そうで痛そうで(>_<)。
 主人公は若かりし日の天地茂。でもこの人悪事に巻き込まれただけでそんなに悪い事していない。最初のひき逃げも、自分が運転していたわけじゃなく、友達が運転していて、しかも自首しようとしていたのに運転していた友達に止められただけ。その後自首しようと婚約者(三ツ矢歌子)とタクシーに乗ったら、そのタクシーが自爆して電柱に突っ込み、その事故で婚約者とお腹の中の子供と一緒には死亡。ひき逃げされた男の情婦につり橋の上で殺されそうになったところ、その女は自分でこけて谷底に勝手に堕ちただけだし。それでも地獄行きって、かわいそうな天地茂。
 閻魔大王嵐寛寿郎ってところも見どころ。大きいお友だちには、音楽:渡辺宙明というのが注目ポイントですw特撮番組音楽の大御所。マジンガーZの音楽をやる12年前ってことになります。
↓オープンニング。ちょっとエロっぽいので注意。 

 

もう1本は「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」
 山本五十六を主人公にした物語なので、山本および帝国海軍を悪く書くわけはないのですが、それにしても帝国陸軍や山本に敵対する海軍参謀の好戦ぶりは、「いやいやそこまでは無いんじゃない?」と思い調べてみると、案の定、史実とは異なる点もちらほら。
こういう歴史物を描く際に、多少のフィクションを混ぜるのは全然結構なんですが、実際に当時生きていた人を貶めることで主人公のヒーロー性を高める演出、脚本はいかがなものかと思う。
 確かにこの映画の山本五十六(役所浩司)はかっこいい。山本長官と考えを一にする部下、海軍省軍務局長の井上(柳場敏郎)、第二航空戦隊司令官の山口多門(阿部寛)もかっこいい。でもこれが全て史実通りと思ってはいけない。

 映画の中で日独伊三国軍事同盟に反対する山本に対して青年将校が詰め寄る場面がある。それを井上がヒトラーの著した本をドイツ語で読み、「君たちが読んだ本はこの章がすっぽりぬけていて翻訳されていない。いいか、ヒトラーは日本のことを莫迦にして利用しようとしているんだ」と諌める。原点をちゃんと当たれということを言いたいのだと思いますが、そもそもこの映画そのものが原点(史実)を故意に捻じ曲げている点で「おまえがゆーな」です。


 とはいえ、連合艦隊戦闘シーンや山本五十六が亡くなるシーンのCGは観ごたえがある。この映画を見たら史実を調べることが大切です。

 

 

地獄 [DVD]

地獄 [DVD]

「地獄」のDVDは、古いフィルムをそのままDVD化したもので、ポチポチ白点、フィルムの頭はガリガリ荒れるサイテーなDVD。デジタルリマスターとは言わないけど、せめてニュープリントしてDVD化して欲しいです。

「激動の昭和史 沖縄決戦」

 
激動の昭和史 沖縄決戦 [東宝DVDシネマファンクラブ]
 沖縄から帰ってまず見たかった映画。去年の3月にDVDをやっと手に入れて感想はその時にも書いています(http://d.hatena.ne.jp/hee/20140312)。

 今回の沖縄旅行は単に観光地巡りをしたかっただけでなく、沖縄戦の爪あとを見る事も目的の一つでした。勿論、東京大空襲や広島長崎の原爆、その他様々な地方都市でも空襲が行なわれ一般市民が沢山犠牲になっていますが、銃を持った兵隊が上陸して一般人にも銃口を向けて多くの犠牲者が出た戦いであったという意味では、太平洋戦争の中でも最も悲惨な戦場であったと思います。


「沖縄決戦」は、ミッドウェイ敗退後からサイパン玉砕そして沖縄戦いついて史実に沿った作りをしています。中心は帝国陸軍第32部隊の牛島中将(小林桂樹)、留学経験もある八原高級参謀(仲代達矢)、豪放磊落な長参謀長(丹波哲郎)の3人。ひめゆり学徒隊には酒井和歌子南風原病院の軍医に岸田森鉄血勤皇隊、大阪から赴任した島田知事(神山繁)の行動、そして海軍陸戦隊の太田實司令(池辺良)。
 大本営の現状認識不足ぶり、陸軍の作戦は後手後手にまわる無能振りが際立ちますが、そんな中なんとか沖縄を守ろうと必死で戦う軍人もいて、その対比が興味深いドラマです。
 約2時間半、途中インターミッション(休憩)が入りますが、最後分かっていながら先の気になる映画です。
 岡本喜八監督の演出もすごいですが、新藤兼人の脚本構成が見事、更に特殊技術に火薬バカ(尊敬語ですw)中野昭慶ときて戦闘シーンが盛り上がらないわけありません。

 これ見ていない人いたら是非観て欲しい傑作です。

「3-4x10月」

3-4x10月 [DVD]
 週末の沖縄に向け、沖縄舞台の映画を。。

 北野武監督の2作目。1作目の「その男、凶暴につき」が、深作欣二降板の為のリリーフだったのに対し、この映画こそ北野監督オリジナル第1作ということになる。「その男ー」もかなり衝撃的な作品で、振り返ってみれば北野監督らしさは随所に出ていますが、”世界のキタノ”と称されるきっかけとなったのはこの作品らしい。とはいえ国内での興行は惨敗。相変わらず閉鎖的な日本映画界ではやはり異端で、海外の評価でその面白さに改めて気が付かされたというお粗末さ。最も私も映画館では観ていませんが、以降の作品は1,2度しか観ていないのに、ビデオではこれと1作目はかなりの回数ています。それくらい好きな作品。

 
 特にこの2作目は、一般的には「夢落ち」とか「散文的でよくわからない」とか酷評が目立ちます。俳優もたけし軍団オールスターキャスト。主役は柳ユーレイとダンカン。演技に期待しても始まりません。
 一応ストーリーはあります。でもストーリーとしての起承転結に眼を向けてしまうと???な感じがしてしまいます。そういう見方をする映画ではありません。随所に挿入されるギャグ、暴力、絵としての画面の美しさ…それらが重なっている、詩のような世界。


 正直言うとタレントや漫才師としての”ビートたけし”はあんまし好きではありません。若い頃の人を莫迦にしたようなギャグ、場を破壊してしまうような行動。しかし映画について語る時のたけし、そして完成された映画は本当にすごいと思う。あぁこの人は映画が好きなんだなと思わせます。そして自分の好きなように映画を作る。フィルムで遊んでいる感じ。だから分かってもらえ難い作品、興行的に失敗する作品が多い。芸人たけしは、観ている人を楽しませようとしていますが、映画監督北野武は自分さえ楽しければ良いと思っている。この違いかと思うのです。

 そういう勝手な人間は、近くにいて欲しくなくて、ハタからみている方がいい。北野作品は人間の深層心理をあからさまにしている。それが私をひきつけてやまない理由だったります。
 というわけで、北野監督作品、特に「3-4x10月」はみんなにお勧めという作品ではないです。でも私的にはこの作品と「その男、凶暴につき」は北野映画のベスト1.2だったりします…。
(予告編)

 
実は淀川長治が、生前、北野監督をべた褒めしてます。まだタレント監督と酷評されていた頃です。


3-4x10月 [DVD]

3-4x10月 [DVD]

DEVILMAN

デビルマン [DVD]
2004年・那須博之監督
ポスターはかっこいい。期待しちゃいます。


10年振りに観てみました。
私も投稿している「みんなのシネマレビュー」(http://www.jtnews.jp/)でも平均点ワーストランキングで堂々の4位。因みにワースト10は以下の通り。
1 死霊の盆踊り (1965年) 0.67点
2 北京原人 Who are you? (1997年) 1.19点
3 北斗の拳 (1995年) 1.24点
4 デビルマン (2004年) 1.42点
5 ピンチランナー (2000年) 1.59点
6 シベリア超特急 (1996年) 1.60点
7 CAT’S EYE/キャッツ・アイ(1997) (1997年) 1.71点
8 オクトパス (2000年) 1.80点
9 REX 恐竜物語 (1993年) 1.96点
10 漂流教室 (1987年) 2.00点


他のワースト作品って、確かに映画としての出来は酷いんですけど、反面愛されているようなところもあると思うんです。シベリア超特急なんて、ワースト映画なのに5本の映画、2本の戯曲まで作られている。
 それに比べてデビルマンは何故こんなに酷評で、誰からも愛されない作品になってしまったのか。いろんな疑問点が湧きあがります。殆ど俳優未経験のモデルを主役準主役に起用したり、小林幸子とか引退して芸能人に転身した元大関KONISIKI、格闘家のボブサップ、同僚にデーモンだと嘘の密告をされて田んぼの中を逃げ回る鳥肌実とか、なんでこういう配役にしたのか。確かに原作に沿っていると言えばそうなんだけど、5巻だけど内容の濃い原作を2時間で収める無理さ。脚本家は何度も変わって最終的に監督の奥さんが引き受けたのも、しぶしぶだったとしか思えず、行動は突飛だし、セリフに一貫もない。


 あ、悪いところは、沢山の人が言っているので、あえて良いところを。
 出演者で一番上手なのは子役時代の染谷将太くん。ススムくん役です。これは永井豪原作の傑作短編「ススムちゃん大ショック」を映画の挿話としていれているわけですが、ただでさえ短い尺になんでこの話を入れ込むのか理解不能。この話は結構好きなので、是非1本映画にして欲しいくらい。
 それと、もう一人のデビルマン、デーモンに合体されても人間の心を失わないミーコ役の渋谷飛鳥。染谷君との絡みが多いからか、2人の演技が他の俳優さんたちに比べて際立って良いです。
 冨永愛シレーヌは酷評されがちですけど、CGになってからは意外と好きです。しかし、ドラマ部分でのバラエティのパロディみたいな衣装はなんとかならなかったんだろうか。顔つきはシレーヌっぽいんですけど、いかんせん細すぎ。もう少し肉感的でギリシャ彫像のような感じの人でやって欲しかった。
 
 
 一番の問題は、スタッフにも役者にもデビルマンをちゃんと深読み出来る人がいなかったということに尽きる。要するに"愛"がなかった。他のワースト作品は、出来上がった作品は確かに酷いものかもしれないけど、少なくとも作品に愛があったり、「なんでもいいからこの人で映画を撮りたい」って思いはあった。でもデビルマンにはそれすらもなかったから、観客からも見放されてしまったんだと思います。

 映画が好きな人は反面教師的に観ておくべき映画だと思います。

 

  

「北の国から'92巣立ち」

 菅原文太さんの出ている「北の国から」を見たいと思い引っ張り出してみたら止まらなくなりました(^_^;)。

 
 富良野に父親と妹と移り住んだ純くんは、東京への想いが捨てきれず、中学卒業と同時に上京して、雪子おばさん(竹下景子)の元で暮らしながら、昼間は工場で働き定時制高校に通う。そこでの話が前作の「'89帰郷」でした。「'92巣立ち」はその3年後のお話。

 前作で事件を起こし、職を転々とした純くん、今はガソリンスタンドで働いてました。ある日GS近くで駐禁とられそうになっている女の子を助ける。それが宅配ピザ屋で働く"トロ子"(裕木奈江)。
 純くんは、札幌にいる幼馴染、大里れいちゃん(横山めぐみ)と遠距離恋愛中。古い映画をレンタルビデオで借りて同じ時間にみて、その後感想を電話でお話する"疑似デート"を続けているけど、若い純くんはそれでは満足できず悶々とした日々を過ごしている。
 そんな時、偶然レンタルビデオ屋さんでトロ子と逢う。トロ子も古い映画好きで沢山見ていて意気投合する。
 一緒にビデオみたいね、という話になったものの、トロ子は鹿児島出身で、叔父さんの家に寄宿している。純くんも借上げアパートの為、女をつれこむことができない。そこでトロ子は「ラブホテルに行けばビデオ見放題」といい、純くんを誘って、渋谷のラブホに向かう。
 トロ子は純粋にビデオを見る為にラブホに誘ったけど、純くんはもうドキドキ。最初にみたのは「ニューシネマパラダイス」感涙するトロ子の隣で純くんは女の子とラブホに入るのなんて初めて。ドキドキでストーリーなんか頭に入らない。2本目「南極物語」を見ていた時についに純くん爆発してトロ子を押し倒すけど、トロ子は元々そんな気はさらさらない。ぎくしゃくする2人。そして、自分の過ちに気がついたトロ子は純くんを受け入れる…。
 遠距離だけどれいちゃんという彼女がいる純くんは、欲望に負けて手近なトロ子との逢瀬を重ねる。そのうちトロ子の妊娠が発覚する…。ところまでで前篇。

 
 一人で堕胎したトロ子。身を寄せている叔父夫妻から呼び出された純くんは、病院の廊下で殴られる。この叔父さんが菅原文太さん。いやぁ文太さんが叔父さんと知ってたら手ぇ出さないよねw
 実家の連絡先を不承不承答えた純くん。「電話は?」「電話ないんです」「嘘付け!今の世の中、電話のない家なんかあるか」…いや五郎さんの家は電話どころか電気もないわ…。
 なんかの手段で連絡を受けた五郎さん、純くんの勤めるガソリンスタンドに現われる。珍しくスーツ姿。
 「謝まっちゃお。俺謝るの得意なんだ、俺と一緒に謝ればなんとか許してもらえるって」いやいやそんな簡単な話じゃないよ…。
 で、文太さんのところにいく五郎さんと純くん。着くや否や鞄からカボチャを5個文太さんの前に積む。まさかかぼちゃで許してもらおーってんじゃないよねw
 居間に入る文太さん夫妻と五郎さん、純くん。2人はテーブルをはさんで、畳に頭をこすりつけんばかりに土下座。「頭を上げてくれ、それじゃ話も出来ん」と少々あきれ顔の文太さん。
 「あんたはとにかくすっ飛んできた。それもあんたの誠意なんだろう。想像してくれ。その蛍さんがどっかの不良にひっかけられて孕まされた。あんたそん時どう思うね。本気になって想像してみてくれ、タマコの父親は鹿児島にいる。警察官だが、底抜けの善人だ。俺は兄貴がこのことを聞いた時、どんなふうに思うか何日も想像した。だからあんたも想像してくれ。あんたのその、蛍さんか、蛍さんが誰にも相談できずに恥を忍んで産婦人科を調べてひとりで診察台に乗る。その時のことを本気で想像しろ」
 そこで文太さんの名セリフ
 「あんたはさっきから誠意と言っている。あんたにとってこうやっていることが精一杯の誠意かもしれんが、こっちの側からは誠意にとれん。誠意って何かね?
 

 ズシンと来ます。
 自分が誠意だと思っていることでも相手に伝わらなければ誠意でもなんでもないんですよね。こういうことよくあります。「一生懸命やってるのに判ってくれない」「自分は精一杯やってるのに相手にとっては普通のことだと思われている」もう毎日そんなことだらけです。
 でもちょっと待って。逆に自分としては大したことをしていないつもりの事が、相手がすごく喜んでくれるというのも一方であります。
 要は、相手が求めていることをちゃんと理解してるかどうかが大切だってことです。

 
 この後五郎さんが、ログハウス再建の為に長い間皮を剥いてきた丸太を300万(原木の原価)で売り、未払い分の200万を中畑木材(地井武男)を払い、残りの100万を文太さんに現金書留で送ります。

 文太さんはこのお金をどうやって作ったか判りません。でも100万もの大金を五郎さんが作り送ってきた。そのことを誠意として受け取ったんでしょう。トロ子を通じて純くんに返します。お互いもう忘れようと言って。

 そしてトロ子との最後のデート。トロ子が一言呟きます。「東京はもういい。卒業する。」と。


 純くんのお話の合間に、蛍の看護学校卒業後の進路の話、草太兄ちゃん(岩城滉一)の結婚の話、そして五郎さんが屋根から落ちて危うく死にそうになる話があります。
 
 どうしても純くん目線で観てしまう「北の国から」ですが、親となり五郎さん目線で見ると子どもの巣立ちとその時に自分ならどうするか、子供との付き合い方を考えさせられます。

 TVシリーズ含むとDVD24枚。全部いっき観はなかなかできませんが、観始まると止まらない名作中の名作です。


=2016.2.5追記=
今日「'92巣立ち・前編」BSフジで再放送していました。
拙blogアクセス数ウナギのぼりw 感想などコメントいただけると嬉しいです。
ちなみに、これ以降も毎日更新続けていますので、続けて読んでいただけると嬉しいかも。ドラマの感想とかもたまに書いています。

=2021.4.3追記=
田中邦衛さんの訃報でいらっしゃった方が多いらしく、昨日から当blogのアクセス数が急に増えてます。初めていらしていただいた皆様、ありがとうございます。最初は純君の目線で見ていた自分が、今は五郎さんの目線で観るようになりました。2006年から毎日雑文更新を続けています。ドラマや映画、本の感想、日常のいろいろを書いておりますので、続けて読んでいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
 

北の国から 92 巣立ち [DVD]

北の国から 92 巣立ち [DVD]

  • 発売日: 2003/03/05
  • メディア: DVD

『Peeping Life −WE ARE THE HERO−』買っちゃった。

Peeping Life -WE ARE THE HERO- [DVD]
 PeepingLifeの新作。映画版です。
 映画観たいなぁと思って公式hpを見てみると、何とも微妙な場所ばかり。
 近いところではこんな感じ。
東京:イオンシネマ板橋、イオンシネマむさし村山、イオンシネマ日の出
神奈川:イオンシネマ海老名、イオンシネマつきみ野
 近くても海老名…。

 
 まぁPeepingLifeだし、別に映画館で観なくてもDVD出たら買えばいいやと思い、諦めてました。
 で、久しぶりにビレッジバンガードに言ったら、既にDVD出ている。しかも劇場公開と同時発売、更に他のDVDシリーズと同じ1500円。そっこーレジに持って行きましたw
 

 お話は、なんと、短編じゃなくて59分と短いながら、PeepingLife初の長編構成。


中間テストの勉強のためにコータの家に集まったショータとコータ。
ふとテレビをつけると、「怪獣出現」の臨時ニュースが流れていた。
驚く二人の近くで爆発音が響き渡る。しかし、
「こんな時は必ずヒーローたちが助けに来る」と、
怪獣出現という絶望的状況の中で二人は、そして日本はヒーローの登場を切に願うのであった。
しかし、肝心のヒーローたちはいつも通りの日常を過ごしていた・・・ (公式hpより)


巨大怪獣!これは劇場で観た方がよかった(>_<)。
「PeepingLife」オールスターキャストですwバカップルのマチャヒコとゆきぴょんも出てきます。そして怪獣に立ち向かうのは、タツノコ手塚治虫キャラ。勿論PeepingLife仕様だから、やさぐれて茶髪に染めたアトム、肥満児のトリトンはじめ全くやる気0wwまともそううなブラックジャック火の鳥はちょっとピントがずれているw
 

 お勧め!というか…wまぁ記念すべき劇場版ですww
 ↓予告編、なんかかっこいい、けど…w

Peeping Life -WE ARE THE HERO- [DVD]

Peeping Life -WE ARE THE HERO- [DVD]