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DEVILMAN

デビルマン [DVD]
2004年・那須博之監督
ポスターはかっこいい。期待しちゃいます。


10年振りに観てみました。
私も投稿している「みんなのシネマレビュー」(http://www.jtnews.jp/)でも平均点ワーストランキングで堂々の4位。因みにワースト10は以下の通り。
1 死霊の盆踊り (1965年) 0.67点
2 北京原人 Who are you? (1997年) 1.19点
3 北斗の拳 (1995年) 1.24点
4 デビルマン (2004年) 1.42点
5 ピンチランナー (2000年) 1.59点
6 シベリア超特急 (1996年) 1.60点
7 CAT’S EYE/キャッツ・アイ(1997) (1997年) 1.71点
8 オクトパス (2000年) 1.80点
9 REX 恐竜物語 (1993年) 1.96点
10 漂流教室 (1987年) 2.00点


他のワースト作品って、確かに映画としての出来は酷いんですけど、反面愛されているようなところもあると思うんです。シベリア超特急なんて、ワースト映画なのに5本の映画、2本の戯曲まで作られている。
 それに比べてデビルマンは何故こんなに酷評で、誰からも愛されない作品になってしまったのか。いろんな疑問点が湧きあがります。殆ど俳優未経験のモデルを主役準主役に起用したり、小林幸子とか引退して芸能人に転身した元大関KONISIKI、格闘家のボブサップ、同僚にデーモンだと嘘の密告をされて田んぼの中を逃げ回る鳥肌実とか、なんでこういう配役にしたのか。確かに原作に沿っていると言えばそうなんだけど、5巻だけど内容の濃い原作を2時間で収める無理さ。脚本家は何度も変わって最終的に監督の奥さんが引き受けたのも、しぶしぶだったとしか思えず、行動は突飛だし、セリフに一貫もない。


 あ、悪いところは、沢山の人が言っているので、あえて良いところを。
 出演者で一番上手なのは子役時代の染谷将太くん。ススムくん役です。これは永井豪原作の傑作短編「ススムちゃん大ショック」を映画の挿話としていれているわけですが、ただでさえ短い尺になんでこの話を入れ込むのか理解不能。この話は結構好きなので、是非1本映画にして欲しいくらい。
 それと、もう一人のデビルマン、デーモンに合体されても人間の心を失わないミーコ役の渋谷飛鳥。染谷君との絡みが多いからか、2人の演技が他の俳優さんたちに比べて際立って良いです。
 冨永愛シレーヌは酷評されがちですけど、CGになってからは意外と好きです。しかし、ドラマ部分でのバラエティのパロディみたいな衣装はなんとかならなかったんだろうか。顔つきはシレーヌっぽいんですけど、いかんせん細すぎ。もう少し肉感的でギリシャ彫像のような感じの人でやって欲しかった。
 
 
 一番の問題は、スタッフにも役者にもデビルマンをちゃんと深読み出来る人がいなかったということに尽きる。要するに"愛"がなかった。他のワースト作品は、出来上がった作品は確かに酷いものかもしれないけど、少なくとも作品に愛があったり、「なんでもいいからこの人で映画を撮りたい」って思いはあった。でもデビルマンにはそれすらもなかったから、観客からも見放されてしまったんだと思います。

 映画が好きな人は反面教師的に観ておくべき映画だと思います。