日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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『夜を賭けて』/梁石日を読む

梁石日といえば、ビートたけし主演『血と骨』が有名。
血と骨』も読んだけど、昭和30年代の在日コリアン社会の壮絶な生活を描いたら右に出るものはいないだろう。
今回の『夜を賭けて』も同様の話だけど、この話を読んで驚いたのは、小松左京の『日本アパッチ族』の元ネタの史実があったってこと。
今の大阪城公園のあるところに戦時中アジア最大と謳われた兵器工廠があった。終戦前日の大空襲で壊滅した跡地には、たくさんの鉄が埋まってる。近隣の在日コリアンは生活のために夜な夜な盗掘を繰り返いつしか警察との壮絶な戦いが始まる。
この盗掘集団を『アパッチ族』というわけだが小松左京は彼らを鉄喰いに体質が変化した人間として描いた。
『夜を賭けて』の前半は、このアパッチVS警察の話でかなり活劇風。後半は、アパッチ壊滅後、在日コリアン不法滞在者として収容した長崎大村収容所に送られた男と出所を待つ女の話。
こういう話を見ると、未だに根強く残る日本への不信感は判らないではない。
それを時代や戦争の所為と片付けるのもいかがなものかと思う。実際に体験をしたものでなければわからない苦しみ痛みもあろう。
でも、その恨みを子々孫々伝えて何になる?
いつまでもどっちが上だ下だといって何になる?
お互いに手と手を取り合って、未来を志向する。
それでいいと思うんだけど、ダメなのかなぁ。


ぜんぜん感想でもなんでもないな…。
幻冬舎文庫