2年前ハードカバーで出ていたものが文庫化されていたので読む。
日本が沈没して25年後、大地を失った日本人たちがどう生きていくかを描いた話。
第1部(73年)は、いわずとしれた大ヒット作。作者の小松左京は日本列島がなくなったら日本人はどう生きていくか?をテーマに書き始めたものの思った以上に沈没させるまでの部分を書くのに時間が掛かり、とりあえず第1部として上梓した。
小松左京かかつて角川文庫で殆どの作品が文庫化されており、高校生くらいの頃からほぼ全作読んでいます。
「『果てしなき流れの果てに』という作品の一部に星間航行をする日本人がいるんだけど、あれが日本沈没第3部なんだ」と何かのあとがきで本人が言っていて、
「あー、いつか第2部書かれるのかなー、楽しみだなー」と思ってもう20年以上。
小松御大も古希を越え、新作が出ることもなくなって「もう出んな…」とあきらめていたので、谷甲州との共著とはいえうれしい。
内容は、上下2巻ながら喰い足りなさは確かに残る。でも第1部も上下2巻。量は同じなんだよな。単に量の問題ではないことは承知の上で、要は、沈没することよりもその後の方が圧倒的に大変なことが多いってこと。そういう意味では、もう少し深く掘り下げて欲しいエピソードがいっぱいあった。
しかしながら、これは少なくとも公式に第2部として発表されたもの。
行間は読者それぞれが埋めていく必要があるんでしょうね。
物語ってのは、本来そういうもんだと思うし。
ともあれ。
昔、日本沈没を読んだ方。
読んでみるといいと思います。かつて活躍した人も出てくるし。
読んでない人は、第1部をしっかり読んでから第2部を。
日本人であること、日本ってことを考えるきっかけにはなると思います。
QMA5クレ
魔導士3級/フェニックス組に↑。