を読む。田草川弘著。文春文庫。
副題は、「『トラトラトラ!』その謎のすべて」
黒澤明が黒澤映画の金字塔「赤ひげ」を撮った後、ハリウッド資本で撮るはずだった「暴走機関車」が結果的に撮影中止となった直後オファーのあった「トラ・トラ・トラ!」の座礁の記録。
ちなみに完成した映画の日本側監督は、舛田利雄/深作欣二監督。
ハードカバーで出ていた時に読みたかったのですが、あまりに分厚くて、電車の中で苦労しそうだったので諦めた作品が、まさかの文庫化。
黒澤映画、特に、初期から「赤ひげ」までの作品って結構好きでよく見ています。中でも「七人の侍」は3時間を越える大作だけど、10回以上観てるかも。
巨匠、天皇と呼ばれる黒澤明がいよいよハリウッドで世界を舞台にした活躍が見られるはずだったのに、何故、監督降板させられたのか昔から不思議でした。
関係者の殆どが鬼籍に入り、その関係者もこの件については生前多くを語らず、取材も大変だったと思うんですけど、すごく丁寧に問題の本質(何故、黒澤監督は解任されなければならなかったのか?本当に監督は病気だったのか?)に迫ろうとしている姿勢がすごく素敵な本でした。
日本人たるもの、黒澤映画(特に初期、その中でも「七人の侍」現代劇なら「天国と地獄」)はやっぱ観ておかないと、と本気で思います。
古い映画なんで、音が悪いのが難点。blueray版が出ましたが、そこら辺は解決してるだろうか・・・。

黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて (文春文庫)
- 作者: 田草川弘
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/03
- メディア: 文庫
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