戦時中は、国策薬として一般販売されていた除倦覚醒剤『ヒロポン』。戦後、軍に備蓄されていた物がいっせいに市場に出回る。栄養剤としか思われていなかったこの薬に強烈な副作用があるというのが徐々にわかり、1951年に覚醒剤取締法が制定されたもののしばらくの間闇で販売され、ヒロポン中毒者がいっぱいいたらしい。
青春編で、麻雀の世界にどっぷりはまっていった主人公"坊や哲"は、前巻の最後で壮絶な死を遂げた"出目徳"同様ヒロポン中毒になってた。
映画版が前巻の青春編までだったので、その後の話はなかなか新鮮でした。ポン中のまま麻雀を打って仕掛けをしたのが発覚し東京にいられなくなった"坊や哲"は、ひょんなきっかけで博打列車に乗り込み、大阪にでる。
同じ麻雀でも大阪では関東とは異なるルールで、その違いに戸惑いながらもまた麻雀にのめりこんでいく。
あいかわらず、個性的なバイニンたちの生き生きとした姿は、読んでいてほんと面白い。私も関西ルールの麻雀は全くしらないのですが、このキャラクター造詣だけで、十分楽しめます。
数日前に『麻雀放浪記』絶版と書きましたが、文春文庫で全4巻再刊されているようです。ちょっとだけでも麻雀知っている人であれば、面白く読めると思います。
- 作者: 阿佐田哲也
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