天童荒太著・文春文庫・上・下巻
第140回直木賞受賞作って知らないで読んでた(^_^;)。
1986年にデビュー30年で8作と寡作な作家さんです。「家族狩り」「永遠の仔」と大作が有名です。丁度10年前「孤独のの歌声」もちろん読みました。都度感想を書いていたようです。
「永遠の仔」→http://d.hatena.ne.jp/hee/20070320
「孤独の歌声」→http://d.hatena.ne.jp/hee/20070412
※この頃までは感想の体をなしていません…((((^_^;)
「幻世の祈り 家族狩り第一部」→http://d.hatena.ne.jp/hee/20140724
「遭難者の夢 家族狩り第二部」→http://d.hatena.ne.jp/hee/20140801
「贈られた手 家族狩り〈第三部〉」→http://d.hatena.ne.jp/hee/20140808
「巡礼者たち 家族狩り第四部」→http://d.hatena.ne.jp/hee/20140901
「まだ遠い光 家族狩り第五部」(完結)→http://d.hatena.ne.jp/hee/20140906
☆☆☆☆☆☆
"死に憑りつかれた男"坂築静人。まったく無関係な人の死を調べ覚え亡くなった地で"悼む"。祈るのではなく、生きていたこと、愛されていた事を覚えていますよと声をかける為、全国を行脚する。仕事も辞め放浪の旅を続ける静人の行為は、家族だけでなくかかわった人の生き方、魂を揺さぶる。
亡くなった方を訪ね全国を行脚する。どんな人も区別することなく、時には殺人を犯した人まで悼む。その行動は普通に生活を営む人にとっては奇異でしかない。私も静人と同じような事はできないし、最後まで読んでも理解するのは難しい。
ただ、いてもたってもいられなくなった静人の気持ちはなんとなく理解はできる。静人の家族も温かく静人を見守る。また静人を取材した品性下劣なフリーライター蒔野も静人に触れることによって徐々に静人の考えに染まっていく。
夫殺しの倖世も静人とともに歩くことで救われていく。
生きていると辛いことが沢山ある。亡くなった人の事は徐々に忘れてしまいますが、、少なくとも身近な人の死は、記憶し悼み、折に触れて思い出すことが一番の供養だと改めて思いました。
死生観というより、死について考えるきっかけになる作品、ひいてはどのように生きていくべきかを考えさせられる作品です。
2巻組で長いけど、お勧めです。
- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/05/10
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/05/10
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
映画かもされていたらしい。今度観よっと。
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2015/09/04
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (2件) を見る