ハードカバーが出た時(2000年)に著者初の小説ということで買ったものの読まず、更に03年に文庫化されて買ったものの、結局今まで読まなかった本。
本は、出逢いであり、読むべき時が来たら必ず読むものだと思う。だけど最近は新刊後数カ月もすると店頭から消えてしまい、読みたいと思った時に手に入れられなかったりするので、勢い新刊の時に買ってしまいます。それも邪道で、出逢いというのなら読むべき時が来れば必ず手に入るとも思えるのですが、そこまでの境地に至っていないからついつい購入し"積ん読"本が増えてしまいます。
さて、「血の味」ですが、「中3の冬、私は人を殺した。」という一文から始まります。一切がこのトーンなので、元気のない時に読んでいい小説ではありません。手に入れながら読めなかったのはそのためです。この本が出た00年頃から08年くらいまで、心身ともに不安定でして。。
少年から大人になる時、いらだちと焦燥感は誰にでもあるものだと思う。その気持ちがナイフに託され少年は殺人を犯してしまう。いったい誰を?ここら辺になると内容に触れてしまうのであえて避けます。
何人もの少年を苛立たせる人々が少年の近くにいます。
私も一歩間違えばこの少年と同じだったかも知れない。読み終えてそんな感じがしました。でも恐らくそれは、女性には解らないものなんじゃないかなぁ。
結末に触れないで語るのは難しいです。

- 作者: 沢木耕太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/02/28
- メディア: 文庫
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