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図書館で新刊を貸借することの是非

 「図書館で文庫貸さないで」文春社長がお願い」
 国内の図書館関係者が集まる全国図書館大会が13日、東京都内で開かれ、文芸春秋の松井清人社長は、都市部の図書館での文庫本の貸し出しが目立っているとして、「図書館は文庫の貸し出しをできればやめていただきたい。これはお願いです」と述べた。■松井社長は分科会で、文庫の売り上げが2014年以降、毎年6%程度落ち込んでいるという出版科学研究所のデータをあげつつ、自社の収益の3割以上を文庫本が占めると説明。単行本刊行などでかかった費用を、文庫で回収していると明かした。貸し出しをやめても「一気に売り上げが回復するとは思わないが、文庫くらいは自分で買うというマインドが作られることが大事」との意見を示した。(10/13(金) 22:37配信)

 
 佐野 眞一著「だれが「本」を殺すのか」が出たのが2001年。それから16年経って、更に出版不況は抜本的な対策を打たず、出口の見えないトンネルを進んでいます。街の書店はどんどんなくなり、大型書店ですら店舗を減らしています。私も以前は週1は本屋に行っていましたし、学生の頃はほぼ毎日通っていました。そんな私も、最近でネットで買う方が多くなって来ています。

 この本では、書店、流通、版元、地方出版、編集者、図書館、書評、電子出版が、相乗的に本が売れない状況を作り出しているという事を説明していました。
 BOOKOFFで買っても著者や版元には還元されない。
 在庫のない本を本屋に注文お取り寄せをしても何週間もかかるけど、ネット書店に頼めば翌日、最近では当日配達すらしてくれる。電子書籍であれば、ダウンロードすればすぐ読める。
 図書館で新刊が借りられるなら、手元に置いておきたいような本でもなければ、買わずに借りてしまう。

 私は、図書館をあんまり利用しません。単に返しに行くのが面倒だからなんですけど。
 本は原則買いますが、新刊は半分くらい、年に50冊程度。半分はBOOKOFFで買うことが多い。
 最近は新刊書店に旧作が余り置いていません。なので、BOOKOFFで買うことがどうしても多くなる。版元在庫もない場合、amazonとかネットでも古書を買うことがあります。
 新刊は続々と出て、書店で平置きされますが、それも1ヶ月程度、長くても2ヶ月くらいで、気が付くと書店から消えて買えなくなってしまいます。特にそれほど人気のなかったコミックスの最終巻は平置きすらされずに入手しようと思った時に書店で手に入れることができないなんてこともしばしば。

 図書館での貸し出しが文庫が売れなくなった原因かどうかというと、正直それだけではないと思いますが、少なくとも一因であることは事実と思います。
 図書館に置くのは新刊でなくても良いのではないかと。1年くらい経ってからでも本の価値は下がらない。それよりも手に入れられなくなった本が図書館で借りられる、閲覧できるということこそ図書館の価値ではないかと思います。
 そういった意味では、文芸春秋社長の言い分はよくわかります。図書館で文庫を貸し出すなというのも、図書館は貸本屋ではないのだから、その通り。

 異論はあると思いますが、図書館は、文化の担い手として、単に利用者増を求めるのではなくて、文化財保護的観点で仕事してほしいなぁ。