日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「連合赤軍物語 紅炎」山平重樹 を読む。

 連合赤軍事件もののノンフィクション。
 連合赤軍というと、まず第一に思い浮かぶのは、1972年、最高視聴率89.7%のあさま山荘での警察vs連合赤軍の攻防戦ですが、連合赤軍の5人があさま山荘に至るまでに同志12名を山岳ベースで総括の名のもとに殺した事実の方が衝撃的。
 1960年代、全国の大学は学生運動で荒れまくっていた。学費値上げ、大学の不正会計。学生の身近な所に問題があり、それを自分たちの力で正面から正そうとした。
 そもそも学費の値上でなんで学生が怒るの?と学生時代この当時の話を聞いて私も思った。そーだよね、大学の授業料なんて親が払うもので、それが上がったからと怒る筋合いの話ではない。ところが、この当時の学生は、自分で学費を稼いで支払う苦学生が今よりもっと多かった。学費の値上げ即生活逼迫という切実な問題。
 怒りは、学内に留まらず、搾取される労働者とともに社会の問題=政治問題に広がっていく。
 学生たちはただ社会を良くしたかった。今の体制に問題があるからそれを正したかっただけ。
 でも結局は、純粋であるがゆえに自壊してしまった。
 大人は狡猾。それは自分が大人になってその穢れにまみれて初めて理解できるものかもしれない。狡猾な大人に、正面突破を試みても勝てる通りはない。搦め手には搦め手で攻めないと。
 12人(その前に2名殺しているので14名)もの仲間を殺したことは決して許されるものではない。そもそもあの殺人は、森恒夫永田洋子の訳のわからない論法で殺された被害者でしかない。でも、それでも、あの当時の若者の社会に対する疑問もつ姿勢、それを何とかしなければという焦燥感には共感を禁じえないのです。
あの時代の空気みたいなものまでしっかりと定着させたノンフィクションの傑作。
私は興味深く読めましたけど、ほんとはみんなに読んでもらい何かを感じてほしい1冊です。

連合赤軍物語 紅炎 (プロミネンス) (徳間文庫)

連合赤軍物語 紅炎 (プロミネンス) (徳間文庫)