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「「彼女たち」の連合赤軍」

 
「彼女たち」の連合赤軍 サブカルチャーと戦後民主主義 (角川文庫)
大塚秀志著・角川文庫
1972年2月、あさま山荘に立て籠もった連合赤軍メンバー5人は、包囲した警察相手に発砲を繰り返し、三日の籠城の後2月28日に全員が逮捕され、人質となっていた女性も確保された。
その後の調べで、仲間内のリンチ殺人事件(山岳ベース事件)が明るみとなり、既に逮捕されていたリーダーの森恒夫は、初公判前に拘置所内で自殺、一方のリーダー永田洋子は、と死刑確定後脳腫瘍で獄中死した。

その永山洋子の残した著作「続十六の墓標」に永田自身による挿画は”乙女ちっく”としか形容できない少女趣味的で稚拙なイラストポエムふうなものだという。
この乙女チックなイラストを描く永田洋子と、言葉尻を捕まえて次々と同志を殺した永田洋子とのギャップについて考察されたのを見たことはない。大塚英志は、お得意のサブカルチャー的視点で、消費社会の隆盛とその担い手である女性の言語を連赤事件当時持ちえなかった女(永田洋子)とその他の女性とのギャップが悲劇を生み、なおかつ、中心的指導者の森恒夫の徹底した女性性の否定に絡めとられた永田洋子という図式は、かなり説得力がある。
 これまで連合赤軍ものを結構読みましたが、単に歴史をなぞったもの、大人の一般的な社会的背景から書かれたものに比べて、想像ではあるけれど永田洋子の内面に深く切り込んだものだと思う。


 その他、オウム真理教事件日本国憲法の条文に謳われる男女平等の理念についてなど、論文でありながらすごく興味深く読めました。
 

「彼女たち」の連合赤軍 サブカルチャーと戦後民主主義 (角川文庫)

「彼女たち」の連合赤軍 サブカルチャーと戦後民主主義 (角川文庫)