原節子さんの作品をそれほど多く観ているわけではありませんが、この美しさは筆舌に尽くしがたい。大きな切れ長の眼、高い鼻。日本人離れした風貌は、もしかしたらご先祖に外国人の血が入っているかもしれないという噂が本当じゃないかと思ったりします。ハリウッド女優と比較しても全く引けを取りません。1935年デビュウ、1962年引退。以降一切表舞台に出ることなく現在に至ります。私が生まれる前に完全に引退をされているんですね。
何といっても私的には「東京物語」(小津安二郎監督)の紀子さん役がベスト。小津監督は、原節子の良さを120%引き出した監督です。
見かけによらず、酒(特にビールが大好き)に煙草に麻雀と一通り悪い遊びもやる。でも水着の撮影、舞台挨拶は好きじゃなくて、原則やらない。TVには一切出ず、映画だけ。まさに映画女優の中の映画女優。 今は、鎌倉にお住まいらしい。
原節子さんは、そんな理由で自叙伝のような著作がありません。この本は、映画雑誌や他の俳優さんの著作などから、原節子本人の断片的な言葉を蒐集し、その言葉で原節子さんの女優人生を追いかけています。
何しろ無声映画時代からの女優さんですので、もう現存していない作品もありすべてを見るのは叶いません。ですがこの本を読んで、もう一度代表作位は見なおしてみようかなと思わされました。
- 作者: 貴田庄
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/06/04
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