戦後20年もたってから生まれた戦後世代。「もはや戦後ではない」と経済白書で謳ったのが1956年ですから、完全な「戦争を知らない子供たち」世代であります。
先日の日航123便墜落事故同様、この時期には戦争関連の本を読むようにしています。
「あの戦争は何だったのか」それは、私も常に考えていたことでした。1941年12月の真珠湾攻撃から1945年8月の玉音放送、9月2日の戦艦ミズーリ号上でのポツダム宣言降伏文書調印。
500万人以上の犠牲者をこの短い期間で出してまで戦うだけの意味がはたしてあったのか。「火垂るの墓」をはじめ、戦争の話は悲惨なものが多い。戦争はいけない、戦争などしなかった方がよいという意見は、正しいに違いない。しかし戦争は外交の一つの手段とも言われています。悲惨な状況になることもあるが、決してそれを望んでしていることでないとも。
太平洋戦争は一方で連合国、特にアメリカに「仕組まれた戦争」とも言われています。日清・日露戦争に内実はともかく勝利し、アジアの盟主として実力をつけてきた日本に対し、アジア各国を植民地として搾取していた連合国側の国々がなんとか日本の鼻っ柱を折る機会をうかがっていた。
莫迦なのは調子に乗っていた日本の軍人たち。「とりあえず戦争しちゃって、電撃的にやっつけちゃえ」と戦端は開いたものの、彼我の差は歴然。しかも神国日本は負けるわけないという奇妙な自信が、負けを負けと認めない大本営発表を繰り返す。
挙句の果てにどんどん民間から徴兵し、まさに捨て駒のようにどんどん投入する。3月10日の東京大空襲では10万人以上、沖縄戦では24万人もの犠牲者がでてしまうが、それでも本土決戦を叫ぶ軍人たち。
で、ヒロシマ・ナガサキに新型爆弾投下。軍人、民間の別なく殺されていく人々。
「あの戦争は何だったのか」
悲惨な状況を「戦争は悲惨だから嫌だ」「戦争はいけない」ではちょっと思慮がなさすぎるし何の発展もない。まぁそれでも何も考えないよりはよいのですが、何故こんな戦争を始めたのか、何故こんなにたくさんの犠牲者を出しても続けようとしたのか。誰が、何のために。どこに問題があったのかを冷静にマクロな視点で考えないと、また同じ過ちを繰り返してしまうか、誰かに攻め込まれた時に自分の首にリボンをして差し出すかのどっちか。厭戦非戦を声高に叫ぶ人、黙って殺されますか?
戦争などしない方がいい。それは万国共通。でもやってしまったことなら、そこから目を背けたりせずにしっかりと見て学ばないといけない。
すでに過去の事といって興味を持たないのはもったいないです。
せめてこの時期、戦争について少しだけでも考えてみるのも日本人として良いかもしれません。
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