1974松竹・山根成之監督
74年版だから、太賀誠役は西條秀樹、早乙女愛役はこの映画の為に一般公募された役名をそのまま芸名にした早乙女愛。当然デビュー作。
当時まだ9歳のガキンチョだったので、映画館では観ていません。通学途中の映画の看板をみてたり、床屋さんに置いてある週刊少年マガジンの巻頭グラビアを見て当時人気絶頂だった西條秀樹が太賀誠やるんだ〜と思った程度。どちらかというとTVドラマ版(早乙女愛が池上季実子)の方が印象深いです。
お話は、昔、蓼科高原に遊びに来ていたお嬢様、愛がスキーをしていたら、誤って「魔のスロープ」と恐れられる斜面に入り込んでしまい、止まらなくなってしまう。木に激突しそうになるところを、地元の少年が助けてくれた。その時少年は額に大きな傷を作ってしまう。それが元となって、少年は破傷風となり、半年も闘病、治療費をめぐって少年の家族は一家離散、本人も小学2年生を2回やることになり、グレ始める。
愛が中学3年の時、合宿で蓼科高原にやってくる。そこにチンピラたちが現れ襲われそうになったところを助けてくれたのが成長した少年、太賀誠。しかし、愛の思っていた「白馬の王子」ではなく、フーテン・タイガーと地元で評判のワルになっていた・・・。
愛は、かつての正義感にあふれ勇敢だった誠の変わり果てた姿に驚くが、その原因となったのは自分だとして献身的に誠に尽す、って話。
梶原一騎原作ですから、台詞回しが時代かかってますが、まぁね、それを可笑しいとは思ってなかったんです。そういう時代だったんです。というわけで、今となっては鼻で笑ってしまうようなお話なんですけど、懐古のフィルターを掛けると名作になるわけで。
今も漫画を原作にした映画って毎年やっていますけど、70年代も漫画原作映画のブームってあったんですよね。「ハレンチ学園」「あしたのジョー」(共に70年)「ドカベン」「野球狂の詩」(77年、これは映画館に観に行ったわ)「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(これも77年、せんだみつおが両津勘吉をやってます。)…、漫画の知名度もあって、みんなそこそこヒットしていました。
しかし、漫画原作に忠実であろうとしたこの当時の映画は、あまりにもあちゃ〜(>_<)な作品が多い。その点、最近の漫画原作実写映画はストーリーのテイストは残しながら1本の映画としてしっかり魅せてくれる。
「愛と誠」は、原作でいえば2巻分くらい。89分の中編ですから仕方ないですが、この映画が大ヒットしたおかげで、「続愛と誠」「愛と誠完結編」と3部作ができました。
有名な愛に横恋慕する岩清水弘くんの名セリフ
「早乙女愛よ
岩清水弘は
君の為なら死ねる」
のシーンも勿論あります。
君の為なら死ねるって…(^-^;)
いやいや、笑ってはいけません。この手の作品を楽しむには作品世界への没入感が大切なのであります。
というわけで、続と完結編も借りてくる事にしよーっと。
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