別に見るつもりなかったのに、観始まったら止められなかった。
どちらかといえば嫌いな映画なんです。グロテスクでスプラッターなシーンの連続。深堀りのない人物描写。ラストも嫌い。なのにぐいぐいと引き込まれてしまう146分。
殺人鬼の夫婦に巻き込まれる気の弱い主人公(吹越満)の姿は、自分を含め市井で普通に過ごしている人なのかもしれない。再婚した妻に疎まれ、娘に嫌われ、仕事も決してうまくいってる風もない。一方で同業ながら大きな店を構え、美人な嫁とフェラーリを駆るでんでん。殺人を「ボディを透明にしちゃう」(これは題材となった愛犬家殺人事件の犯人が使っていた言葉)といってはばからない。嫌悪しつつ、どんどん深みにはまっていく。
この映画を観ていると、否定しつつも、自分の中にもそういう悪逆な回路というのが、もしかしたらあるのかもしれない、と思ってしまう。
しかし、嬉々として死体をばらす妻(黒沢あすか)のようにはどうしてもなれない。そもそも血、駄目なんです。魚を触れない、むろん捌けない。食肉でも触るのはあんまし好きじゃない。そんな私にどうして死体を捌ける?
お勧めはしませんが、もし観てしまったらノンストップな事は保証します。
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