今日で今年のお仕事は終わり。来月は休日出勤があるのでその振替休日をくっつけて、5日も休み。8連休となりました。
で続けている「幻魔大戦"再読"マラソン」も9巻目。折り返しポストが見えてきました。
舞台は1967年の大晦日、31日の深夜0時過ぎから、1日明け方まで。またも24時間と少し。一応漫画版のリライト、真幻魔大戦を補完する意味で書き始めた角川幻魔は1968年には地球滅亡というシナリオで進んでいますけど、このペースでは何枚書いても完結しません。内容は興味深いので、どんどん読めてしまいますが、結局言霊使いという言い方で構成を考えずに進めているとこれでは小説であって小説ではありません。まだこの巻では東丈はいますけど、イエス・キリストの行動や言動を弟子が伝える新約聖書みたいな様相を呈してきています。「幻魔大戦」が宗教小説といわれる所以です。
大晦日を迎えた夜、郁江は明雄を介した心霊治療の甲斐なくいまだ癌と闘っている。どうやら明雄によって取り払われている病巣が、午前2時になるとまた肥大化してくる。その午前2時の訪問者を迎え撃つべく、丈が直接郁江のもとに行く。訪問者の正体は、江田四朗ではなくGENKENの創設メンバーの久保陽子だった。苦悩する丈。
GENKENに来た明るい大学生の高鳥慶輔が遂に台頭してくる。こいつ昔から嫌いなんだよね。丈も高鳥の悪性を初対面から見抜いているけど、外見の明るさ、聡明さ、如才なさでGENKENメンバーに影響を与えていく。
一方、田崎や市枝たちは丈やGENKENを組織外から支援する組織を作ったことを丈に報告する。
一挙に丈の周りで色々な事が動き始めてきたけど、丈はその状況をまとめ切れていない。懊悩は続き、年が明けると初めて失踪をする。これが布石となってたんですね。
改めて読んでいると、丈の弱さ、繊細さが目に余ります。確かに丈の言っていることはもっともで、超能力を私利私欲に使ったり、ひけらかしたりすることは無用な反感を買いこそすれ何の益にもならない。それよりも光に目を向けて常に正しくあろうとすることが大切で、特に超能力者はその能力を律するために高潔出なければいけない。そうしないとすぐに幻魔の標的となり虜囚と化する。それはそうなんだけど、もう少しやり方があると思うんですよねぇ。
さて次はいよいよ折り返し10巻。行きます。
- 作者: 平井和正
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