日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「幻魔大戦 13 魔王の誕生」

 
幻魔大戦 13 魔王の誕生 (角川文庫)
 サブタイトルの"魔王"は高鳥慶輔のことなんでしょう。丈のライバルとして君臨していた江田四朗では役不足だったか。確かにこれ以降、高鳥の方がクローズアップされてくる。
 この巻は、前巻の終わりにGENKEN事務所に4人のやくざ者がやってくるところから始まる。ということはまだ1月24日。この1巻は内容的には盛りだくさんだけど、一日の話。うーむ。当初の予定で漫画版の幻魔大戦の焼き直しということで進めていたとして、この年(1968年)の夏に地球滅亡するとなると1日1巻でやってたら、300巻以上書かないといけない。いやいや、こりゃ終わらないわ…(^_^;)。

 高鳥と郁江がチンピラに絡まれて、高鳥がPKを使い怪我を負わせてしまったことの"落とし前"をつけにやってきた塚田組のやくざ山本。丈は来客中、秘書室には杉村由紀はおらず平山圭子が気丈に対応する。そこにちょうど郁江が帰ってきて、郁江がやくざの事務所に行くことに。
 やくざの事務所で郁江は不思議な魅力を発揮して、チンピラたちを虜にしてしまう。それがきかなかったのは狂犬のような男、矢頭だけ。いちゃもんを付けに来た兄貴筋の山本は、郁江を迎えに来た丈と対峙し、丈から200万円の小切手せしめる。
 一方、高鳥はその魔性をさらに強くしている。女優の家を根城に妄想を膨らませ、ついに東丈と比肩する能力者だという盛大な勘違いをし始める。丈はヨハネで、自分こそイエスだと。その実やっていることは幻魔と何ら変わらない欲望にまみれたもの。久保陽子を連れて来て、江田四朗に何をされたかを問い詰めるが、陽子は既に幻魔の虜囚となり淫魔と化していた。あの清純で丈の事を信頼しきっていた陽子が…。哀しい。
 田崎は山本と面談をすべく銀座で山本が影のオーナーのクラブに向かう。どうやら山本は前世で田崎の弟子だったらしく、多作はそれが分かって山本を改心させようとする。


 高鳥がPKで女優の行動を制して意思に反して服を脱がせたり、田崎は前世記憶をもとに行動をする。そういうちょっとした超能力描写はあるにせよ、基本は精神の浄化を一番に考えての行動を促す丈の思想小説だったりします。高鳥の邪悪さや、やくざの精神に積もった垢がもたらす穢れた精神は読んでいても目を背けたくなる。
 それにしてもクリスマス講演からちょうど1ヶ月。杉村由紀は1ヶ月前の丈との劇的な出逢いから秘書になり、最初は盟友としての位置を確保するに見えたけど、たかだか1ヶ月で丈との間に溝を感じてしまう。1ヶ月を6巻も費やす濃密な内容…。

 続いて小説内時間に合わせてこのまま読んでみよう。。