1968年1月28日日曜日。GENKEN箱根セミナー2日目。状は昨夜突然出かけ朝になっても戻ってこない。昨夜の幽霊騒ぎからGENKENメンバー何に不安や焦燥が渦巻いている。秘書の杉村由紀も事情が分からず、喪失感で体調まで悪くなる。そんな中、ホステス白水美晴が田崎を慕って箱根までやってくる。
午前中に繰り上がった郁江の幻魔研究発表。それは単なる幻魔研究の成果を発表するだけでなく、光のネットワークへのさらなる言及と魂のあるべき姿を求めるための反省の重要性といった教義の深化だった。
杉村由紀は体調が戻らず、郁江の講義を聞かぬまま東京に戻る。ロマンスカー車内でもこれまでになかった丈に対する疑念疑惑がとめどなく溢れ、新宿駅で、田崎の指示で由紀をフォローしようと迎えにきていた木村市枝すら遠ざけようとする。
明らかにいままで丈の事を信頼していた由紀の考えとは思えない想念が次から次へと湧いてくる。これは幻魔の標的になったか…と思うけど、もう一人、今由紀が考えているようなことを思っている奴を読者は知っている。高鳥慶輔だ。
案の定、新宿駅で迎えに来た木村市枝を振り切り、道玄坂のGENKEN本部に到着した由紀を淫夢が襲う。目覚めたところには久保陽子。そして高鳥。こいつら2人で由紀を篭絡しようとしているに違いありません。
ここら辺描かれていないところがあって想像をするしかありませんが、それにしても今巻もおよそ10時間程度の内容で、それでも表出した内容の裏側がまだ描き切れていません。なんという濃密な時間。

- 作者: 平井和正
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/12/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る