幻魔大戦は次のページを繰らずにはおけない中毒性がある。通して読むのは4、5回目なので、逆に細かいところに新しい発見があって読む速さは遅くなってます。最初に読んだ時は、2,3冊1日で読んだりしました。挿画はありますが、ラノベというには内容が重いです。
7巻は、いよいよ「クリスマス講演会」。読んでいる今も明後日がクリスマスイブ。舞台設定は1967年なので、約50年前のまさにこの頃のお話。この巻で描かれるのは12月24日深夜から25日の講演会終了までで、本1冊で24時間経っていません。これまでも1巻で数日なんていうのはありましたが、長編小説で1日に満たない出来事をここまで詳細に書くのって、やっぱ構成力のなさは否めません。もっとも著者自ら言霊使いで、降りてきたものを筆記しているだけと言って(開き直っている?)おり、全体を考えて書いているわけではないことを公言しています。おかげで広げた風呂敷を回収できぬまま平井和正は逝去。「幻魔大戦Deepトルテック」で完結しているという話もありますが、読んでいないし、むちゃくちゃ広がった幻魔宇宙の伏線をすべて回収したとは思えません。
丈の親友だった江田四朗が丈を騙り久保陽子を誘拐拉致する。丈と姉の三千子、田崎、郁江の4人で救出に向かう。江田は不良学生ばかりではなく権力者や警察まで"魔力"で従えていた。江田は丈の能力に嫉妬するあまり幻魔に憑かれてしまった。
救出はしたものの以前の陽子とは明らかにちがう。GENKENは丈と陽子でスタートした組織。その陽子が幻魔に囚われてしまった責任を丈は感じる。
丈は複雑な思いを抱えながら、処女作「幻魔の標的」を書き上げ、一睡もせぬまま初の大々的な対外講演「クリスマス講演会」に臨む。初めて幻魔について言及した丈の講演は聴衆を魅了し、幻魔大戦は新しいステージに。

- 作者: 平井和正
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/12/03
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