前巻でクリスマス講演会を終えたGENKENには、入会希望者、丈との面談希望者が殺到する。講演会の最後でテレパシーで会話をした杉村由紀もGENKEN事務所を訪れ面談、丈の秘書になる。そのまま、丈の自宅に行き、三千子とも面談。遅れてきた主要キャラクターはこの巻で重要なポジションを得る。
一方、事務所に顔を見せなくなった郁江は、一人病魔と闘っていた。そのことを知った丈は、木村市枝と弟明雄を郁江のもとに丈の代理として派遣。明雄を通して心霊治療を施す。
事務所には、女優が丈の面談に来る。次巻以降で、江田四朗に取り込まれることを予言する丈。
これでほぼ年末。この巻では、3、4日しか経っていない。
内容的には面白いので、これまであまり感じなかったんだけど、あまりにも進度が遅すぎです。
妄信的に読んでいた頃は、丈の言っていることが正解だと思っていました。その気持ちは30年以上経っても間違っていないとは思うんですが、江田四朗についての扱いについては本当にこのやり方が正解なのかちょっと疑問。それと久保陽子にしても同様。GENKENを通じた組織論もある面正しいのだけど、100%正解かというと微妙。
正直もっと前、まず最初に四朗の誤解を解くべきだったし、陽子についてもGENKENから離れた頃にちゃんと話し合っておけば四朗に取り込まれることはなかった。
いざとなると「自分は未熟」だとか、「すべては演習(エクササイズ)」とか言い訳ばかりして、挙句の果てにすべてをほったらかしにして失踪する丈を中心とした角川幻魔は、冷静に読むといろいろなほころびがあります。
でも読みますよ、20巻まであと12巻。

- 作者: 平井和正
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