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「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」

「シン・ゴジラ」、私はこう読む
日経ビジネス
kindleのみなんですが324円と安かったのでポチ。とはいえ、「日経ビジネスオンライン」で今でも読めますので、そちらでもよかったかも。
シン・ゴジラ」については私もこのblogで何度か感想を書きました。興行収入も80億を超え大ヒットしたのも、見た人が"語らずにはいられない何か"がシン・ゴジラにあったからではないかと。これって、庵野監督の代表作エヴァンゲリオンのヒットにも通じます。

 この本は、石破元防衛大臣はじめ、3.11当時官房長官をしており、「シン・ゴジラ」制作協力をされエンドロールでも名前があった枝野幸男さんなど政治家だけではなく、官僚、科学者他各界のプロの方がシンゴジラを自分の分野からどう見たか、というお話しをまとめたもので、興味深く読めました。

 「シン・ゴジラ」は、「現実(ニッポン)vs虚構(ゴジラ)」というコピーで、ゴジラ以外は現実に即しているといわれていましたが、この本を読むと100%現実というわけではないようで、とはいえ、庵野監督はそれも承知の上でエンターテイメントとして成立させているというのがよくわかります。
 例えば、武蔵小杉でゴジラを迎え撃った"タバ作戦"、多摩川沿いにズラリと並んだ10式戦車がワクワクしますが、実際戦車は北海道沖縄に多くあり、本州にあれだけの戦車はないといいます。でもあそこは多摩川に沿って戦車大体が展開するのが絵的には正しい!
 
 冒頭に一瞬だけ映った宮沢賢治の『春と修羅』から「シン・ゴジラ」を読み解く、なんていうのも面白かった。

 この中でどなたかが続編について触れられていて「ゴジラがビームを放射して壊滅的な状況になり蘭堂が避難したところまでが現実で、そこから先は蘭堂の"こうなったらいいな"という夢。放心している蘭堂に志村が「矢口さん大丈夫ですか?しっかりしてください」と、続編はその夢から醒めたところから始まる…というのが、を!と思いました。そうでもしなければ直接の続編は厳しいし、安易に凍結のゴジラが復活するというのはいただけない。さらに言えば、官民一体となった矢口プラン、無人在来線爆弾や全国の製薬化学メーカー一丸となった薬剤製造とキリンによるゴジラへの直接経口投与はカタルシスではあるけど荒唐無稽すぎるので、蘭堂の夢と考えると結構しっくりきます。


 これはシンゴジを見た方、はまった方にはお勧めの一冊です。
 (日経ビジネスオンラインの掲載分はこちら→http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/083000015/
 kindle版には掲載以外のもの、図版なども入っています。