今野 敏著・ 新潮文庫
キャリア官僚でありながら所轄大森署の署長、竜崎を主人公にした隠蔽捜査シリーズ第4巻。前巻短編集を1巻挟んでいるので通巻では5巻目。
大森署管内でひき逃げ事件が発生、時を同じくして隣の署管内で他殺遺体の発見。更に麻薬でやくざ者を逮捕したがそれが厚労省の麻薬取締官が泳がせていた奴で、マトリから猛抗議が来る。更にカザフスタンで墜落をした飛行機に竜崎の娘の婚約者が乗っていたのではないかという問題が発生。もちろん所長としての通常業務に遅滞は許されない。いくつもの問題が並行して起き、さぞやてんてこ舞いかと思いきや、これまで通り竜崎流の原理原則を武器にしつつ臨機応変に対応し、敵と思われていた人も味方につけて無事解決してしまう。
隠蔽捜査は水戸黄門だ。
どんなにハラハラドキドキしても最後は納まるところに納まっていく。これまで煙たがっていた第2方面本部の野間崎管理官の力も借り、野間崎と竜崎の関係も一歩前進。単発ものでありながら、シリーズの中で竜崎を取り巻く登場人物が掘り下げられていくのもこのシリーズの魅力を倍加させています。
隠蔽捜査シリーズは、現在7まで(短編スピンオフ3.5,5.5を含めると9冊)。7はまだハードカバーなので、ゆっくりと読んでいこうっと。
- 作者: 今野敏
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/04/28
- メディア: 文庫
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