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「ビート―警視庁強行犯係・樋口顕」

ビート―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)

今野敏著・新潮文庫
 樋口シリーズ3作目。今回はこれまでのシリーズの中で最長の400頁強ですが、あっという間に読めちゃいました。
 「ビート」は、beat、リズムビートとかの”ビート”。今回はダンスが通低音のようなテーマになっています。


 警視庁捜査2課が銀行の不正融資の内偵を進めている。ある日2課の刑事島崎は、内偵中にその銀行に勤める学生時代の柔道部の後輩富岡に声をかけられる。富岡はなぜか内偵の事を知っておりガサ入れの日程を教えろという。当然断る島崎に、富岡は、島崎の息子で富岡もOBとして教えている丈太郎の就職を条件に出されてついガサ入れの日程を教えてしまう。その結果、ガサ入れは失敗、島崎は窮地に立たされる。そしてその失敗後しばらくして富岡は何者かに自室で殺される。目撃者の証言から”茶髪の若者"が捜査線上に上がる。そのモンタージュは島崎の次男、不良息子の英次に似てい津事に島崎は気付く…。
 と、ここまでで100頁すぎますがここでやっと樋口登場。
 刑事でありながら家庭円満な樋口家と対照的なまさに警察にいそうな脳みそ筋の島崎家。口の家のように妻や娘との信頼関係が結ばれているのはやっぱり羨ましい。体育会系であっても島崎のような奴ばかりじゃないでしょうが、往々にして学生時代体育会での上下関係を経験した奴らはそれを社会人になっても会社に持ち込みがちなのは間違いない。今から19年も前の作品ですが、確かにその頃から体育会系のノリは嫌われ出しました。今はそういう時代ではなくなりましたね。
 私も体育会系のノリは昔から苦手。ただ、島崎の言う「汗は正直」というのは理解できる。
 どんなに天才と呼ばれる人でも、努力は怠らない。好きな事ならどんなにつらくても努力を継続することができる。その結果は必ずついてくる。
 ただ、黒いカラスでも、先輩、コーチ、監督が白といえば白、的な組織論が、私たちの時代はそういうのが横行していましたが、現在の様々な問題の原因となっているのは否めない。
 いつまでたってもこういう上下関係を至上と考える人が多いけど、それも私たち世代まで。あと10年もすればこういう奴らはいなくなりますので、もう少しの辛抱です。

 さて樋口はここでも家庭の問題で悩まされます。助けてくれるのはやっぱり荻窪署生活安全課の氏家。
 
 あと2作(「廉恥」「回帰」)がありますが、未入手の為後で読みます。
 今野敏の警察小説、「隠蔽捜査」シリーズや安積班シリーズは、ミステリーというよりも社会批評的側面、組織論のゆがみを追求した作品としての面白さがあります。
 ミステリーはちょっと…という私のようなものでも興味深く読めます。

ビート―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)

ビート―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)

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