ビブリア古書堂の事件手帖2ndシーズンの2巻目。
2012年の事件、横溝正史の未発見の作品「雪割草」をめぐる物語を解決したと思ったのもつかの間、新たな事件が。そして9年後、同じ依頼者が再びビブリア堂を訪れる。
栞子さんと大輔君の娘、扉子ちゃんも8歳の小学生と、9年後17歳の高校生となって登場。
大輔くんと栞子さんが、出会った頃そのままに仲良くてとても心地よい。扉子ちゃんも篠川家の血を色濃く受け継いでおり、智恵子さんのようにダーティになるか栞子さんのように知識の魔人になるかこれからが楽しみです。
物語は、幻の作品だった横溝正史の「雪割草」が2017年に発見されましたが、その5年前2012年に鎌倉のお屋敷にあった、という話。ビブリア堂に持ち込まれたのは、何者かによって盗みみだされた私家版の「雪割草」をめぐる物語ですが、本の発見直後、挟まれていた直筆原稿が見当たらず、事件の完全解決に至らず、栞子さんとしても苦い思い出の事件だった。
その9年後2021年、同じ依頼者から当時の事件の張本人だった母親の死をきっかけに蔵書を買って欲しいという依頼が。そして事件が再始動します。
途中、8歳の扉子ちゃんが横溝正史の「獄門島」の古書(朝日ソノラマ版)をめぐる事件があり、扉子ちゃんの最初の事件?を見事に解決。
少しずつ登場人物が成長しており、とてもよい。
物語で語られる本に関する蘊蓄については著者に取材によるもので、それら真実の上に虚構を積み重ね物語とする手法は、読者として現実の物語との地続きを感じることができる。
本に興味のある人にはお勧めの小説。
1作毎に取り上げる作品が異なるのでどこから読んでも大丈夫です。