平井和正原作・桑田次郎絵
今から35年くらい前に、サンワイドコミックスで購入していますが、kindle版がセール価格になっていたので、ポチっちゃいました。
1320円×全2巻が、660円/巻でさらに330円/巻がポイント還元。
漫画原作は、平井和正自身の手によって、「死霊狩り(ゾンビ―ハンター)」として小説化もされています(角川文庫全3巻/絶版)。現在、ハヤカワ文庫で合冊版が出てます。
漫画は1969年『週刊ぼくらマガジン』に連載。
人間に取り憑いて凶暴化させる謎の生命体とその憑依体「デス」を密かに発見し抹殺する「デスハンター」の組織結成の為、密林での選抜試験に挑まされる元レーサー田村俊夫は、試験中に仲間になった女性テロリストのリュシール、中国情報部の林石隆とともに、試験を突破。しかし、残忍な選抜試験に怒り、その主催者のシャドウを殺そうとするが、「デス」の正体を説明されるものの、納得できず組織を離れて日本に戻る。その後、「デス」は俊夫の恋人マリアンヌに憑依し、最愛の姉が殺される。かろうじて「デス」を抹殺した俊夫はデスへの怒りでデスハンターの一員となる。
以前も読みましたが、『鬼滅の刃』と似ています。勿論、まったく一緒という事はなく
人間に憑依して「デス」(鬼)になる。
人知れず「デス」(鬼)を退治する団体「デスハンター」(鬼殺隊)
「デスハンター」(鬼殺隊)になる為の過酷な選抜試験。
最愛の人が「デス」(鬼)に憑依されて、殺さざるを得なくなる(風柱・不死川実弥のお話)
といったところ。
ただ「デスハンター」(小説版「死霊狩り」)は、平井和正自身が人類ダメ小説(人類はとことんダメな生き物で生かす価値のないもの)全盛の頃の作品ですから、救いのない物語なのですが、『鬼滅の刃』のテーマは全く逆。読後感がいいのは間違いなく『鬼滅の刃』です。
『死霊狩り』を多感な時期に読んで、それこそトラウマ級の刺激を受けて、人が苦手に拍車がかかりました。
漫画版は小説の後に読みましたし、もう成人になっていたのでそれほどではありませんでしたが、桑田次郎のシャープで冷たい線は、この物語に相応しい。
小説版は、デスハンター基地で中性子爆弾が爆発するところで終了していますが、漫画版はその後生き残った俊夫のその後が少しだけ描かれています。終わり方的には小説版の方が綺麗で、漫画版は続きが気になります。
このお話は、次作「幻魔大戦」にテーマが引き継がれたと考えてよいのかもしれません。
小説版
デスハンター・エピローグも40年の時を経て以下のアンソロジーに原作版が公開されました。