平井和正著・ルナテック/kindle
今月のプライム会員特典、月1冊「Kindle Unlimited」無料本。これ1冊読むだけで月会費はペイする。あぁ完全にamazonの手のひらで泳いでます。
前巻で過酷な"ゾンビーハンター"選抜試験をクリアした元レーサー田村俊夫は、アラスカの山奥で第1のターゲットを狙っている。無事標的を殺した俊夫だが、標的はゾンビ―ではなく赤い血を流す人間だった。
ゾンビ―を殺すためのゾンビーハンターとしての生きざまを見出したにもかかわらず、人を殺してしまったことに衝撃を受ける。
司令官"S"に詰め寄る俊夫だが、汚染されていようがいまいが、ゾンビーに益する人間を殺すのもゾンビーハンターの役割だと冷徹に話す。
俊夫に与えられた次の標的は、科学者の加賀。CIAの助けを借りて加賀の家族に近付く俊夫だが、自らゾンビーと確信するまでは手を出さない。最後の殺戮の場面で、誰がゾンビーだったか判明する。しかし愛する恋人の身体を乗っ取った憎きゾンビーとは違う。人間がゾンビーと呼んでいる生物に対する迷いを俊夫は抱く。
最初に読んだのは、高校生の頃だから今から35年くらい前。一番最近の再読でも20年くらい前か。。今読んでも全然古くない。それどころか、人間の悪性はさらに増しているような気がします。
確かに人間の身体を乗っ取る異生物のゾンビーだけど、奔放な女性だった良子や自分の事しか考えない妻が、ゾンビーに憑依されてから貞淑な女性に変わっていく事はよくない事なのか。元の形質は残したまま、よいところを伸ばしてくれる基本的には穏やかな生物。それを異物として排除していくことは本当にいけない事なんだろうか。
そういう形而上学的な問題に踏み込んでいく第2巻のラスト。次は最終巻。うーむ、どんな話だったか忘れたので楽しみ。早く次が読みたいけど我慢々々。
- 作者: 平井和正
- 出版社/メーカー: ルナテック
- 発売日: 2013/06/15
- メディア: Kindle版
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